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4月に起こった生成AI関連ニュースまとめ10選!

May 13, 2024

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生成AI関連のニュースが目まぐるしい昨今、新たな情報に追いつけない方も多いと思います。
この記事では2024年4月にあった生成AI関連のニュースをまとめました。

海外の生成AIニュース

Googleが動画生成AI『Vids(ビズ)』を発表

米Googleが動画生成AI「Vids(ビズ)」を発表しました。Vidsは、文字入力だけで販促やプレゼンテーション動画を音声ナレーション付きで瞬時に作成するという生成AI。Googleは画像生成AIの機能も高め、さまざまなコンテンツを披露しました。
昨今動画生成AIの進化は目まぐるしく、OpenAIが高精細動画を自動で作成できる「Sora」を公開するなど、各社が技術開発を進めています。
 
動画生成AIの発展で、今後のビジネスシーンに大きく影響しそうです。

OpenAIの動画生成AI『Sora』がAdobe Premiere Proと連携へ

2024年4月15日、アドビは動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」にOpenAI社の動画生成AI「Sora」を導入すると発表しました。Soraは、テキストで指示をするだけで最長1分の高品質な動画を生成できるAIモデルです。

Adobe Premiere Proに追加される主な機能は「動画内の人物や物の要素を追加・削除する機能」や「動画素材の尺を延ばすために新しい動画を生成する機能」、「テキストを入力して新しい動画を生成する機能」の3つです。

OpenAI社のミラ・ムラティCTOは、リリース時期について「年内、早ければ数ヶ月以内」と発言しており、高品質な映像制作の工程が簡略化されることが期待されます。

イーロン・マスク率いるxAIが『Grok-1.5V』を発表

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2404/14/news047.html
(参考:ITmedia NEWS/イーロン・マスク氏のLLM「Grok」、1.5更新で画像認識可能に)

2024年4月12日、イーロン・マスク氏のAI企業xAI社が、独自の大規模言語モデル「Grok」の最新版「Grok-1.5V」を発表しました。同社初のマルチモーダルモデルで、画像認識能力が最大の特徴です。

「Grok-1.5V」では、手書きのフローチャートをPythonのコードに変換したり、画像のユーモアを説明したりするなど、さまざまな例が紹介されました。また、新たに導入したベンチマーク「RealWorldQA」では、他社のAIモデルよりも優れた空間理解能力を示したとのことです。
xAI社は「マルチモーダルな理解と生成機能の進歩がAGI構築のための重要なステップだ」と述べ「今後数カ月で画像だけでなく音声や動画などの機能も大幅に改善していく予定だ」と発表しました。Grokの更なる進化に注目です。

Meta社が高性能オープンソースLLM『Llama3』を発表

2024年4月18日、メタ・プラットフォームズが最新のAIモデル「Llama 3」をオープンソースでリリースし、誰でも使えるようにしたと発表しました。同日、MetaのチーフAIサイエンティストであるヤン・ルカン氏は、「Llamaのより強力な後継モデルが開発中で、OpenAIの『GPT-4』やグーグルの『Gemini』を凌ぐ可能性がある」と示唆しました。

ルカン氏は、オープンソースのAIモデルの方がより迅速に進化すると予測しています。MetaのオープンソースAI戦略は、多くのスタートアップや研究者がより強力なAIモデルに触れる機会を増加させ、生成AIの熱狂を加速させるでしょう。

一方で、オープンソースAIモデルの能力向上に伴い、兵器開発を容易にしたり、人間に敵対的になったりする可能性やリスクも指摘されています。オープンソースAIの発展には、メリットとリスクの両面があるといえるでしょう。

国内の生成AIニュース

日本発のSakana(サカナ) AIが本格始動!企業価値は300億円超え

Sakana (サカナ)AIは、米グーグル出身の著名研究者らが日本で立ち上げたAI開発の新興企業。創業から1年足らずで国内外から10人のプロフェッショナルが集い、企業価値は300億円規模に達しました。
 
Sakana AIは、異なるAIの「掛け合わせ」で進化を加速させる新手法を開発しています。小規模なAIを組み合わせて高度な知能をつくる目標を掲げ、大がかりな計算基盤を使った学習に頼らない独自の手法で、日本語で数学の問題を解く大規模言語モデルなどを実際につくってみせました。
 
日本で使われる技術に重きを置くSakana AIの取り組みは、日本発の企業として世界で活躍できるスタートアップといえるでしょう。米テクノロジー企業とは異なるアプローチで、生成AIの開発に革新をもたらすことが期待されます。

Microsoft、日本でAIデータセンター拡充へ。4400億円を投資

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240409/k10014416831000.html
(参考:NHKニュース/「マイクロソフト 日本事業に約4400億円投資へ 生成AI需要拡大で」)

米Microsoftが、今後2年間で約4400億円を日本事業に投資する方針を発表しました。生成AIの需要拡大に対応するため、データセンターの増強や最先端のAI向け半導体の導入を行います。また、東京都内に研究拠点を新設し、AIやロボット工学の研究にも取り組みます。
さらに、今後3年間で300万人を対象にAIを活用できる技術者の育成支援を行うとのことで、日本政府との連携強化も予定されています。

Microsoftのブラッド・スミス社長は、日本の技術基盤とAI活用の重要性を強調し「この投資が日本の未来にとって不可欠だ」と述べました。

生成AIの需要拡大を見据え、他のIT大手やNTT、NECなども事業強化に乗り出しており、今後も投資が続くでしょう。

Open AI社、アジア初の拠点として日本法人を発足

https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2404/15/news158.html
(参考:ITmedia NEWS/OpenAIが日本を選んだ真意 会見で語った「東京拠点、立ち上げのワケ」)

OpenAIが日本法人「OpenAI Japan」を東京都で設立し、アジア初の拠点として日本でも事業を開始します。OpenAI COOのブラッド・ライトキャップ氏は「日本は重要な市場であり、多くの人々のために生成AIがもたらす可能性を広めていきたい」と話しました。

日本法人の社長には、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの元社長である長崎忠雄氏が就任。日本語に最適化した大規模言語モデル「GPT-4」のカスタムモデルを発表し、国内AIベンダーとの協業の可能性も示唆しました。

OpenAIの日本進出により、日本での生成AIの普及と発展が加速することが期待されます。

OpenAI社が日本語に特化した改良版ChatGPTを提供開始へ

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2404/15/news123.html
(参考:ITmedia NEWS/GPT-4に日本語特化モデル OpenAI Japan始動会見で発表)

OpenAIは4月15日の記者会見で「日本語の処理能力を3倍に高めた大規模言語モデルの改良版を企業向けなどに提供する」と発表しました。

これまでのOpenAIの大規模言語モデル「ChatGPT」は、主に英語に最適化されており、日本語の処理能力に改善の余地がありました。日本語への最適化により、回答の生成時間が短縮されれば、AIを使った対話型サービスがよりスムーズになるでしょう。

先行導入した英会話アプリ「スピーク」では、データ処理の効率化でコストを47%削減したという結果もでています。

国内大手企業やスタートアップも日本語対応の生成AI開発に参入していますが、OpenAIと同等の性能を持つ大規模言語モデルの開発には至っていません。OpenAIが日本の制度や慣習、法律、ビジネスに詳しい生成AIを実現すれば、国産技術で市場開拓を目指す日本勢にとって脅威となる可能性があるでしょう。

ソフトバンクが生成AI開発に1500億円投資

https://www.fnn.jp/articles/-/689364
(参考:FNNプライムオンライン/ソフトバンク 生成AI開発 2025年度までに1500億円投資)

ソフトバンクは、2025年までに1500億円を投じて生成AIの開発に必要な計算設備を整備すると発表しました。高性能半導体を搭載したインフラを整え、計算能力を現状の数十倍と国内企業でトップ級まで高めることで、世界最先端モデルと同水準の生成AI開発に備えます。

ソフトバンクは、2024年度内にパラメーター数3900億のモデルを完成させ、2025年には日本語特化型で1兆のパラメーター数を持つ高性能モデルの開発を目指しています。1兆のパラメーター数は世界水準を目指すうえでの指標とされており、世界に対抗できる生成AIが日本で誕生するかもしれません。※GPT-4のパラメーター数は非公開ですが、5000億~1兆といわれています。

生成AIの市場規模は今後大きく拡大する見通しですが、現状は米テック企業が先行しています。国産の生成AIがどれだけ世界に衝撃を与えるのか、ソフトバンクの今後に注目です。

生成AIをめぐる議論・提言など

OpenAIのアルトマン氏らAI企業幹部、AI安全利用に関する助言を米政府へ

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2404/28/news059.html
(参考:ITmedia NEWS/米政府、AIの安全利用を助言する委員会にアルトマンCEOなど大手AIトップを招致)

4月26日、米国土安全保障省は、AIの安全利用に関する助言組織を立ち上げ、OpenAIのサム・アルトマンCEOらテック企業幹部の参加を明らかにしました。この組織は、エネルギーや交通、防衛など重要インフラでのAI活用について米政府に助言することを目的としています。

助言組織は民間企業の幹部を中心に22人で構成され、OpenAIやAnthropicのCEOに加え、Microsoftの各CEOもメンバーに名を連ねています。

国土安全保障省のマヨルカス長官は「AIが国益に資する一方でリスクもある」と述べ、リスク緩和のための研究や具体的な行動の必要性を訴えました。

AIの安全利用に向けた国との連携は、今後ますます重要になっていくでしょう。

まとめ

4月中には多くの言語モデルのアップデートやOpenAIの日本法人設立など、大きなニュースが相次ぎました。 これから生成AIの活用が当たり前の時代は必ずやってきます。大きなニュースはチェックする習慣を身につけておき、いざというときに時代に取り残されないようにしていきましょう。

AIメディアライター植田遊馬

Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。

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