2024年3月に公開され、その性能の高さから話題となっている「Claude3(クロード3)」。有料プランを契約して1ヶ月ほど使用したので、ライターとして活動する筆者のレビューをまとめてみました。
活用法や注意点を中心に解説します。普段文字を書くことが多い方は、参考になる部分が多々あると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
Claude3とは
「Claude3(クロード3)」は、Anthropic社が2024年3月に提供を開始したLLM(大規模言語モデル)です。Claude3は、テキストだけでなく画像や音声などのデータ形式を同時に処理できる「マルチモーダル入力」に対応しているのが特徴です。
ちなみに、OpenAI社のChatGPTもマルチモーダル入力に対応しているものの、無料プランは非対応。Claude3は無料プランでもマルチモーダル入力に対応しているため、費用対効果も高いです。
Claude3を活用することで、画像内の文字をテキスト化したり、PDFファイルを簡潔にまとめたりと、さまざまな場面で効率的な情報処理が可能になります。
Claude3有料プランと無料プランの違い
Claude3は無料でも問題なく利用できますが、有料プランも存在します。有料プランと無料プランの違いを解説します。
【Claude3】無料プラン
Claude3の無料プランは、マルチモーダル入力に対応しています。マルチモーダル入力とは、テキストや画像、音声などの異なるデータ形式を同時に処理できる技術で、OpenAI社のChatGPTは有料プランから使える機能です。
ただし、1日あたりのデータ処理量には一定の制限が設けられています。無料プランでマルチモーダル入力に対応している点は優れていますが、処理能力に負荷がかかるのか、ある程度利用するとすぐに制限に達してしまいます。
また、無料プランではAPIが提供されないため、開発者が自社のアプリケーションにClaude3の機能を直接組み込むことはむずかしいです。セキュリティ面では、有料プランほどの高度な保護機能は備えていませんが、一般的なユーザーのニーズを満たす十分な機能は備わっているといえるでしょう。
【Claude3】有料プラン
Claude3の有料プランでは、無料プランの制限が撤廃され、大量のデータ処理が可能です。マルチモーダル入力の精度も向上しており、画像や音声からのデータ抽出がより正確に行えるようになっています。
また、有料プラン専用のAPIが提供されているため、開発者は自社のアプリケーションにClaude3の機能をかんたんに統合可能です。セキュリティ面では、データの暗号化など高度な保護機能が追加されており、機密情報を扱う企業でも、安心して利用できる環境といえるでしょう。
Claude3おすすめの活用方法
Claude3はとにかく文章の生成が自然です。Claude3が生成した文章をそのままブログ記事にしても、そこまで違和感はないでしょう。
たとえば、下記プロンプトで文章を生成してもらいました。
プロンプト:「AIとは?100文字程度で説明してください」
特に違和感はないはずです。すこし説明がむずかしい箇所などがあれば「専門用語を使わずに説明して」や「高校生でもわかるように説明して」などと指示すれば、柔軟に修正してくれます。
ただ、もう少しプロンプトを工夫することで、プロのライターとしてClaude3を活用できるレベルまで文章の質を向上させられます。
プロンプトを入力する際のコツは、下記の5つです。
- 記事の詳細を伝える
- 読者の需要を伝える
- 特記事項を伝える
- 条件を指定する
- 長文を一気に生成しない
上記の条件に当てはめて、筆者は下記のようなプロンプトを日頃から使用しています(よかったらコピペして活用してください)。
プロンプト:
現在「~~記事タイトル~~」という記事を執筆しています。
【読者の需要は下記です】
※箇条書きで読者の需要を記載する
記事内の<h2>~~h2タグ~~</h2>というタグの中で<h3>~~h3タグ~~</h3>というタグが存在します。h3タグ内の文章を作成してください。
<上記文章で伝えたいこと>
↑
ここに特記事項を書く
↓
“条件“
- 100~300文字で作成してください
- 基本的にPREP法で作成してください(Point:~~~~Reason:~~~~などはやらなくてもよいです)
- 冗長な文末は避けてください。
- 文末表現は3回以上連続しないようにしてください。(例:今日は暑いと思いました。なので半袖を着ました。結果的にそこまで暑くなかったので、服装は大事だと思いました。)
- 本日生成した文章となるべく内容が重複しないように工夫してください。
(大事なことは複数回伝えることも大事なので、”絶対に”というわけではありません) - 一般的に使われない単語は使用しないでください。もしも使う必要がある場合は、簡単に単語の意味を説明してください。
試しに上記プロンプトを活用して、文章を生成してみます。使用したプロンプトは下記画像のとおりです。
生成された文章はこちら
やや気になる点もありますが、すこし手直しすれば記事執筆に活用できるほどの文章を生成してくれています。
全く同じプロンプトをChatGPT(有料プラン)に入力してみましたが、下記の文章が生成されました。
個人的にはChatGPTが生成した文章のほうが「AIが生成した文章」っぽさが抜けない印象。実際に筆者が仕事で使うのは、ほとんどClaude3です。
ちなみに、Claude3にルールを教えることで「ルールに従った文章」を生成してくれます。たとえば、「『簡単』という漢字は『かんたん』とひらがなに変換して」などのルールを指定すると、ルールに沿った文章を生成してくれるのです。
ライターの現場では、各クライアントによって「レギュレーション(媒体ごとのルール)」が設定されていることがほとんど。レギュレーションの内容をClaude3に覚えさせることで、効率よく文章生成ができるため、重宝しています。
Claude3の気になる点
Claude3がライターの現場で使えるとはいっても、生成された文章をそのままコピペで使用できるわけではありません。
1ヶ月ほど使用してみて、気になった点を紹介します。
冗長な文末が多い
1つ目に気になった点は「冗長な文末が多い」ということです。
冗長な文末とは「書かなくても意味が変わらない表現」のことで、冗長な文末が多い文章は読みにくいものになってしまいます。
たとえばよくある冗長な文末は、下記のようなものです。
- ~することができる→~できる
- ~ということである→~である
冗長表現はライティングの世界では修正対象です。Claude3が生成する文章は冗長表現が多いため、修正しながら執筆に反映しています。
同じ文末表現が出てきやすい
2つ目に気になる点は「同じ文末表現が出てきやすい」というものです。
文末表現とは、下記のような文章の末尾にくる表現になります。
- ~です、~ます
- ~でしょう、~だろう
下記の例文のように、文末表現は3回以上連続してしまうと読みにくい文章になってしまいます。
(悪い文章例)
ドラム式洗濯機は節水性に優れています。そのため、水道代の節約になります。また、衣類が傷みにくいので、デリケートな服も安心して洗えます。乾燥機能も充実しているため、雨の日でも洗濯物がすぐに乾きます。
~ます。という文末表現が連続して使用されており、稚拙で読みにくい印象を与えてしまいます。下記は修正例です。
(修正した文章)
ドラム式洗濯機は節水性に優れており、水道代を節約できる点が魅力です。さらに、衣類が傷みにくい設計のため、デリケートな服も安心して洗えます。充実した乾燥機能は、雨の日でも洗濯物を素早く乾かすことが可能です。
修正した文章のほうが読みやすいと感じた方が多いと思います。連続した文末表現も、ライティングの世界では修正対象のため、そのままでは使えません。
Claude3をライターの現場で使用する際は、ライティングの基礎知識は必須といえるでしょう。
まとめ
今回の記事ではClaude3の使用レビューを行いました。筆者自身、ChatGPTとClaude3を仕事で活用していますが、文章の生成という点ではClaude3に軍配が上がります。
テキスト生成AIがいまよりもっと進化すれば、ライターという職業は必要なくなるかもしれません。個人的にはAIの進化に興味があるので、ワクワクしています。
今後のAIの進化に注目です。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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