
こんにちは、ファーマ・テック・トランスレーターの石川です。
前回は、生成AIがどのようにアライアンス関連業務で発揮できるエピソードをお話ししましたが、今回はAIエージェントについて、語っていきたいと思います。
※このコラムでは「生成AI」という場合、弊社親会社・株式会社メタリアル社が開発したLLMオーケストレーション・システム「Metareal AI LLM2」のことを指しています。
生成AIで新薬申請の自動翻訳
私が旧ロゼッタ(現メタリアル)のWeb求人の窓口に応募したのは2019年末のことです。ちょうど新型コロナウィルスが猛威の兆しを見せ始めたころでした。
大手製薬企業をリタイヤすると、同僚の多くはキャリアを活かして高収入が保証される医療関係の中小企業に再就職します。私は、雇用延長の期間にHER2乳がん治療に、劇的なパラダイムシフトをもたらした新薬エンハーツ®の誕生に立ち会う機会を得て、その申請承認の過程で活用する機会を得た当時のAI自動翻訳T-4OOの性能に惚れ込んで、これを是非世の中に広める役に立ちたいという強い思いで応募しました。
話は戻りますが、エンハーツ®は、ADC技術に最適なパーツの組み合わせの発見により誕生したと、私は考えています。自動翻訳T-4OOも、「Attention is all you need」に端を発した機械学習技術と、分野別辞書の組み合わせの発見により誕生したと、私は考えています。
日英自動翻訳で、この時代を画する旧ロゼッタの発見の意義を、Webinarとユーザー専用サイトRozeTimeを通して、私の劇的な経験をお話することで伝えようと努めて、あれから5年が経とうとしています。今年、RozettaSquareに場所を変えて、より多くの皆様にお伝えできることは大変光栄なことです。
AIエージェントで業務効率的に
2022年にChatGPT3.5が誕生し、Large Language Model大規模言語モデルという言葉が、一般的に知られるようになりました。いち早くロゼッタも米倉CTOを中心に、この新しいLLM技術に着目し、効果的な組み合わせの探索に取り組みました。結果として四季報AI、ELLA、ラクヤクAI、ドキュサポAIにたどり着いたお話は、別のコラムでご説明した通りです。
今、ラクヤクAI、ドキュサポAIは、LLM技術とロゼッタの経験並びに、卓越した言語処理技術の組み合わせにより誕生しようとしていると、私は考えます。
*時代は機械翻訳からAI自動翻訳を経て、ドキュメントAI、さらにAIエージェントへロゼッタのAIサービスの深化は留まりません。
まとめ
ということで、今回は自分がロゼッタの AI自動翻訳ツール「T-400」と出会った話から始め、今後どのように「AIエージェント」を利用し、医療・製薬業界で効率を向上出来るのかについて紹介しました。
いまだ方向性の定まらないLLMの跋扈する世界に、明確な新風と革新を巻き起こすMAI LLM2の応用システムを、是非皆様のビジネスで、業務プロセス最短化に、ご活用されていかがでしょうか。
私も微力ながら皆様のお声を開発メンバーがより深く理解できるよう補足し、お役に立てるように裏方ながら尽力いたします。

株式会社ロゼッタ/ファーマ・テック・トランスレーター/石川 博
1979年にサントリー(株)の医薬事業の一期生として入社。製剤研究、医薬品開発や上市申請まで幅広い業務に携わる。その後、第一三共グループ時代にロゼッタのAI精度に感銘を受け、「言葉の壁を取り除く」使命を見出しロゼッタへ入社。現在、AI時代の到来に際して専門知識と経験を活かし、製薬業向け「ラクヤクAI」のサービス・CS向上を推進。言葉と製薬業界の未来を切り開く挑戦を続けている。
製薬業界で生成AIを活用する「ラクヤクAI」
「ラクヤクAI」は、治験関係書類や添付文書といった社内外の膨大なデータを活用し
製薬事業のあらゆるシーンを効率化する専門文書AIサービスです。
基礎研究から製造販売後調査まで、多岐に渡る製薬業務の中で取り扱われる
様々な文書の作成・チェック作業を自動化し、圧倒的な業務スピード改善を実現します。

「ラクヤクAI」ご活用シーン(例):
- 治験関連文書やプロモーション資料の自動生成
- 作成資料のクオリティチェックや、資料間の整合性チェック
- 講演内容(資料・音声)の適用外表現モニタリング
- 薬剤情報やナレッジの検索・調査
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社内の知見を統合的に分析・集約したアウトプットをセキュアな環境をご提供します。