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DeepSeek が画像生成AI「Janus Pro」を発表!生成される画像の品質をDALL-E3・ImageFXと比べてみた! 

February 03, 2025

  • AI
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2025年1月、中国のAIスタートアップ企業DeepSeekが、新しい画像生成AI「Janus Pro(ヤヌスプロ)」を発表しました。Janus Proは、OpenAIのDALL-E 3やStability AIのStable Diffusion XLなど、競合他社の画像生成AIと肩を並べる性能を持つと評価されています。 

本記事では、今話題のDeepSeekやJanus Proの概要を解説した後、Janus ProとDALL-E3・ImageFXの画像生成品質を徹底比較します。 

DeepSeekとは

DeepSeekは、2023年に設立された中国のAI企業です。GPT-4を超える性能を持つとされる大規模言語モデル「DeepSeek V3」の開発で一躍注目を集めました。開発コストを抑えながら高性能なAIモデルを生み出す技術力が評価され、NVIDIAの株価にも影響を与えるほど、世界中で話題になっています。 

DeepSeekについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 

Janus Proとは

Janus Pro(ヤヌスプロ)は、テキストと画像を統合的に扱うマルチモーダルAIモデルです。1Bパラメータ(10億個)と7Bパラメータ(70億個)の2つのバージョンが用意されています。 

※マルチモーダル=複数の異なる情報や形式(テキスト、画像、動画など)を統合して処理する技術やシステムのこと 

※パラメータ=AIの脳に当たる部分。パラメータ数が多いほど複雑な処理が可能だが、その分計算処理に負荷がかかる 

Janus Proの最大の特徴は「デカップリング」と呼ばれる手法を採用している点です。デカップリングとは、画像の理解と生成を別々の経路で処理する方法です。従来の画像生成AIは、画像の理解と生成を同じ経路で処理していたため、2つの作業が互いに干渉し合い、処理効率が低下することがありました。 

一方、デカップリング技術では「画像を理解するチーム」と「画像を生成するチーム」に分かれて作業することで、より効率的で質の高い処理が可能になります。 

画像サイズは384×384ピクセルまで対応しており、MITライセンスの下でオープンソース化されているため、商用利用も可能です。現時点では、Hugging Faceなどからダウンロードして利用できます。 

Janus Pro とDALL-E3・ImageFX を比べてみた

ここでは実際に「Janus Pro」を使って画像を生成してみます。比較のために、同じプロンプトをOpenAIの「DALL-E 3」、Googleの「ImageFX」に入力し、生成された画像を比較してみましょう。 「Janus Pro」は こちら から利用できます。 

まずは、人物の画像を生成してもらいます。入力したプロンプトは以下のとおりです(英語で入力したほうが品質が上がりやすいため、英語訳してプロンプトを入力します)。 

プロンプト:

「Portrait of a young woman with natural lighting, realistic skin texture, sharp focus, and shallow depth of field. She is looking directly at the camera with a neutral expression. The image is ultra-detailed, photorealistic, and taken with a 50mm f/1.8 lens on a high-end DSLR camera. Background is softly blurred (bokeh). High-resolution, professional fashion photography style.

(自然なライティング、リアルな肌の質感、シャープなピント、浅い被写界深度の若い女性のポートレート。 彼女はニュートラルな表情でカメラを直視している。 ハイエンドデジタル一眼レフカメラの50mm F1.8レンズで撮影された、超詳細で写実的な画像。 背景はソフトにぼかしている(ボケ)。 高解像度、プロフェッショナルなファッション写真スタイル。)」 

生成結果は以下のとおりです。 

Janus Pro 

DALL-E3 

ImageFX 

人物の画像生成は圧倒的にImageFXの品質が勝っています。筆者の主観ではありますが、DALL-E3とJanus Proは「AIっぽさ」が残る画像と感じました。 

また、Janus Proは384×384ピクセルまでしか対応していないため、画質がやや荒いですね。 

では次に、アニメ調の画像を生成してみましょう。 打ち込んだプロンプトは、以下のとおりです。 

プロンプト:

「A vibrant anime-style portrait of a young adventurer wearing a fantasy outfit. Big expressive eyes, stylish colorful hair, dynamic lighting, and delicate line art. Inspired by popular Japanese RPG character designs. High detail, cel-shaded shading, soft pastel palette, and intricate background with a fantasy cityscape.

(ファンタジーの衣装を着た若い冒険家の生き生きとしたアニメスタイルのポートレート。 表情豊かな大きな目、スタイリッシュでカラフルな髪、ダイナミックなライティング、繊細なラインアート。 日本の人気RPGのキャラクターデザインにインスパイアされています。 高いディテール、セル画のような陰影、ソフトなパステルカラー、ファンタジーな街並みの複雑な背景。)」 

結果は以下のとおりです。 

Janus Pro 

DALL-E3 

ImageFX 

アニメ調の画像生成では、DALL-E3とImageFXともに、高品質ですね(筆者はDALL-E3のほうが高品質に感じました)。一方でJanus Proは、画質の粗さもありますが品質も低く感じます。 

DeepSeekは、独自テストの結果を公開しており「Stability AIの『Stable Diffusion』やOpenAIの『DALL-E』を上回った」などと主張していますが、まだまだ品質は低く感じます。 

まとめ

本記事では、DeepSeekが発表した新しい画像生成AI「Janus Pro」について解説しました。 

DeepSeekは「低コストで開発しながらも高い性能を実現した」と主張していますが、実際に試してみると、競合他社の画像生成AIのほうが依然として高品質です。ただ「デカップリング」という独自の手法は、効率的なAIモデル開発を可能にし、今後のスタンダードになる可能性を秘めています。 

Janus Proに興味のある方は、実際に試してみてください。 

AIメディアライター植田遊馬

Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。

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