
近年、AIの画像診断支援の精度が高まり、医療現場での利活用が注目されています。しかし、AIがどのように画像診断をするのかイメージがつかない方もいるでしょう。
本記事では、AIの画像診断支援の特徴や活用事例、生成AIが与える影響について解説します。
AIの利点や特徴を把握し、有効活用することで医療・製薬業界の課題解決を目指しましょう。
AIによる画像診断支援とは
AIによる画像診断支援とは、人工知能であるAIを活用し、医療画像(X線・CT・MRIなど)の解析や病変の発見を行うテクノロジーです。
大量のデータを学習し、知識や経験を備え、規則性や関連性を見出すことで病変部位の判断や診断を正確に進めることが可能です。
AIは以下の学習方法を前提とし、医療現場における正確な判断や予測を進めます。
- 機械学習:対象を認識する際の着目点を人が設定する必要があり、単層的な思考。
- 深層学習(ディープラーニング):対象を認識する際の着目点をAIが自ら学習して設定する。思考は多層的。
機械学習したAIの場合、人が学習対象となるものを設定する必要があり、単層的な思考になりがちです。
一方で、ディープラーニングを行ったAIの場合、人の脳と同様に着眼点の設定や組み合わせを考慮し、自らが決定・変更するため、多層的な思考をベースに判断します。
ディープラーニングの技術は年々向上しており、とくに画像診断領域では親和性が高く、画像における病変や異常所見の抽出が可能です。
医療現場におけるAI画像診断支援の事例
AIによる画像診断支援では、画像から得られた情報を踏まえ、治療効果の判定や最適な治療計画の立案などをサポートします。具体的な活用事例は以下のとおりです。
がん放射線治療の計画立案をサポート
大阪大学大学院医学系研究科では、がん放射線治療のためにAI機能を搭載した放射線治療計画支援プログラム「Ai-Seg」を開発しました。
Ai-Segでは、CTやMRIなどの医療画像上の臓器などの正確な描出が可能です。放射線治療専門家によって抽出された約1,500症例のさまざまな領域のデータを深層学習して活用しています。
従来、放射線治療計画を立案する場合、領域抽出作業は、患者当たり数時間にわたって行われるケースがありました。
一方で、Ai-Segを使用するとたった1〜2分で作業が実施できるため、医療従事者の業務負担軽減や作業効率化に貢献することが可能です。
胸部X線画像から心臓弁膜症の診断をサポート
大阪公立大学大学院医学研究科では、AIを活用することで胸部X線画像から心臓弁膜症や心機能の評価の分類を高精度で推定するモデルを開発しました。
本研究グループでは、2013年から2021年までで4施設から胸部X線画像22,551枚と心臓エコー検査結果22,551回のデータを収集し、3施設でAIモデルの訓練と内部検証、1施設で外部検証を実施しました。
結果、AIモデルのAUC (Area under the curve:AI モデルの能力を示す評価指標)は、心機能評価で重要な指標である左室駆出率(カットオフ 40%)で 0.92、心臓弁膜症の6分類は、0.83~0.92 と報告され、いずれも高精度なデータが示されています。
AIを活用することで精度の高いデータが確保され、心疾患の診断のサポートが期待されています。
ラクヤクAIで正確な作業を実行し製薬業界のサポートへ
製薬業界における医薬品開発のプロセスでは、膨大な数の資料作成や、データベース検索といった作業があります。
これらの作業は、医療関連の専門的な知見を保有した担当者でなければ、対応できないこともあるかもしれません。
ラクヤクAIは、膨大なビッグデータからインプットを行い、創薬における文書・資料の自動生成や、薬剤情報・ナレッジの検索を円滑に進めるツールです。
専門性が問われる医薬品・文献情報検索や文章QC業務の効率化、治験関連文章のライティング支援なども対応できます。
また、多種多様な治験関連文書 ・ 薬剤プロモーション資材の作成などがスムーズに進むため、創薬にかかる時間や人的コストの削減が期待できます。
ラクヤクAIを活用し、創薬事業で生じる時間を短縮し、業務効率の向上や人件費削減につなげましょう。
医療・製薬業界でAIによる画像診断を活用しよう
AIによる画像診断支援では、医療画像(X線・CT・MRIなど)の解析や病変の発見をサポートできます。
有効活用することで、放射線治療計画を立案する際の領域抽出作業や、心疾患の診断などの作業を効率化することが可能です。
医療従事者の業務負担を軽減し、作業効率を向上させるため、画像領域におけるAIの利活用を積極的に進めていきましょう。

医療ライターゆし
大手医療機器メーカー(東証プライム市場上場)にて10年間営業職を経験したのち、現在は医療専門Webライターとして活動中。大手医療系オウンドメディアや医療機関のホームページなどで多くの医療SEO記事・症例/疾患記事・取材記事・LP制作に携わっている。
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