会社四季報を企業分析するうえで重宝していても、もっと効率的に分析する方法がないか悩んでいませんか?
株式会社メタリアルが株式会社東洋経済新報社様と共同開発した「四季報 AI」を利用することで、企業分析を効率的かつ多面的にできるようになるかもしれません。
本記事では、四季報 AI の基礎知識やメリット、デメリットなども解説しているので、四季報AI を利用すべきかわかるでしょう。
まだ四季報 AI を利用していなくて、会社四季報の銘柄分析を効率的におこないたい方は参考にしてください。
四季報 AI について
四季報 AI は、株式市場での企業分析をサポートする対話形式のツールです。四季報 AI について知らない方もいると思いますので、基本的な情報を解説します。
会社四季報の膨大な企業情報を学習
四季報 AI は、日々更新される四季報の最新データや、過去の膨大な情報を AI に学習させることで、企業の事業進捗や業績などを元にした高精細な分析が可能です。汎用的な生成 AI と比較して、より信頼性の高い回答を提供し、企業同士の相関関係や業界動向分析など、様々な洞察をスピーディーにユーザーへ提供する新たな試みのサービスとなっています。
大規模言語モデルを使用
四季報 AI は、大規模言語モデルを株式投資の分析に特化して開発された生成 AI です。言語モデルとは、大量のテキストデータから学習して、ある単語の後に続く単語がどのくらいの確率で出現するのかを予測する技術です。生成 AI は大規模言語モデルというさらに多くのデータを学習したモデルが使われており、より複雑な自然言語を理解できるようになっています。
四季報 AI は株式投資に特化して開発されたため、ChatGPT などの汎用型生成 AI と比較して汎用性が高くないですが、株式投資の分析においては精度の高い回答を出します。
四季報 AI のメリット
四季報 AI のメリットは以下のとおりです。
- 最新情報を効率的に収集して分析できる
- 銘柄分析を多面的にできる
- 誤情報を出すリスクが低い
- ユーザーからのフィードバックをもとに機能強化を続けている
後ほど解説するデメリットと比較して、四季報 AI の利用を検討してください。
最新情報を効率的に収集して分析できる
四季報 AI は、日々更新される会社四季報の情報を学習させることで、最新情報を参考にした銘柄分析を効率的に進める目的で設計されています。
決算が発表されたばかりの銘柄分析も効率的におこなえるので、個別株投資をしている方や、市場調査担当者などは非常に助かるでしょう。日本株だけでなく米国株の最新動向も分析できるので、米国株の決算動向をチェックしたい方でも有効活用できます。
銘柄分析を多面的にできる
四季報 AI を活用すると、以下のように多面的に銘柄分析をおこなうことが可能です。
- 同業他社との業績の比較
- 特定企業の過去と現在の業績の比較
- 直近の決算で上方修正を出した銘柄の抽出
- 特定の人物が大株主になっている銘柄の抽出
さまざまな切り口から銘柄分析をおこなえるので、銘柄やセクターの情報がさまざまな角度からリサーチできて、多くの気づきが得られるでしょう。また、 ChatGPT などの汎用性の高い生成 AI でも銘柄分析は可能なものの、定量的な情報に欠けることが多いです。
四季報 AI の回答のほうが数値で分析がしやすいことから、銘柄分析をするうえで客観的な判断がしやすいでしょう。自身でさまざまな切り口から銘柄を分析したい方は、四季報の豊富なデータをもとに効率よくほしい情報を収集できるので、四季報 AI を有効活用できるかもしれません。
誤情報を出すリスクが低い
また、回答の際に参考にするソース元は四季報オンラインなどの信頼できる情報源なので、最新の情報を安心して利用できるでしょう。
ChatGPT などの汎用性の高い生成 AI は、日々進化していて回答の精度が上がっているものの、たびたび誤情報を出すことが問題視されています。株式投資は自身の資金を投じておこなう以上、誤情報を参考にして損失を出してしまった場合は大変になるため、誤情報を出すリスクが低いのは大きなメリットとなります。
ただし、万が一にも誤情報を出していたときのためにも、回答の際に利用したソース元のリンクから事実確認をすることが大切です。
ユーザーからのフィードバックをもとに機能強化を続けている
2023 年 10 月 26 日にリリースされた四季報 AI は、リリース当初は最新の情報を主な参照元としていたため、過去の情報を分析するのはあまり得意ではありませんでした。しかし、リリース後から参照元の拡大を進めていて、過去の情報も参照できるようになってきています。
また、企業データベースから広範な情報を取得できるようになり、複合的な考察ができるように進化を続けています。
今後もチューニングによる応答の改善や今より良い言語モデルへの検討をすることで、株式投資の分析がより洗練されていくでしょう。
四季報 AI のデメリット
四季報 AI は株式投資の分析に便利ですが、利用するうえでのデメリットもあるので、解説します。
誤情報を出力するリスクは 0 ではない
基本的に四季報 AI を含めた生成 AI は、どれほど進化して精度の高い回答を出せるようになっても誤情報を出力するリスクが 0 ではありません。
四季報 AI はRAGという技術を採用しており、限りなく正確な情報を出力できるようになっているものの、誤情報を出力するリスクを 0 にはできないです。そのため、回答する際に参照したソース元をきちんと確認して、事実確認をすることが大切です。
無料で利用できない
四季報 AI は、一般で利用するには四季報オンラインのプレミアムプラン(月額 5,500 円)に契約する必要があったり、企業で導入する場合も API 接続や組み込み開発をする必要があったりします。
プレミアムプランは年間プランで 12%オフの 58,000 円になるものの、気軽に申し込める値段ではないため、プレミアムプランを利用していない方にはハードルが高いかもしれません。
四季報オンラインのプレミアムプランは四季報 AI をはじめとして、四季報先取りやオリジナル連載など多くの機能が充実しているので、興味がある方は公式サイトで調べてください。
また、企業で四季報 AI の導入を検討する方は、株式会社メタリアルの問い合わせページからお気軽にご相談ください。
四季報 AI の使い方
四季報 AI を利用するには、月額 5,500 円の四季報オンラインプレミアムに加入する必要があります。
また、API 接続も可能なため、業務効率化を目的として四季報 AI の導入を検討している企業は、弊社お問い合わせページからお問い合わせください。
四季報オンラインプレミアムに入会後に四季報 AI の公式サイトにアクセスしてログインすると、質問文を入力して株式投資の分析が可能になります。
四季報 AI が得意としている質問文の例
四季報 AI を利用するうえで、どのような質問文を入力すればいいか分からない方もいるかもしれません。四季報オンラインの公式サイトで四季報 AI が得意としている質問文の例が紹介されていましたので、一部を紹介します。
- 〇〇の最新情報は?
- 〇〇、〇〇の業績を比較分析して
- 大株主に〇〇さんが出てくる銘柄は?
- 〇〇の特色は?
参照元:四季報オンライン
上記の〇〇の部分に自身が調べたい事柄を入力すれば、調べたい事柄に対する回答が期待できるでしょう。四季報オンラインの公式サイトで評判のよかった他の質問文も掲載されていたので、気になる方は参考にしてください。
注意事項
四季報 AI は株式投資の分析に役立ちますが、利用するうえではとくに以下のことに注意しましょう。
- 四季報 AI を利用して生じた損害について一切補償しない
- 入れる質問分によって回答の精度がまったく異なる
- 四季報 AI の質問文やフィードバックに個人情報を入力しない
参照元:四季報オンライン
他にも四季報オンラインの公式サイトに注意事項が掲載されているので、気になる方は確認してください。
まとめ
四季報 AI は四季報オンラインなどの豊富な情報源をもとに銘柄分析を効率的かつ多角的におこなえるサービスです。
個人で利用する場合は、月額 5,500 円の四季報オンラインプレミアムに加入する必要があるのがネックですが、四季報オンラインで銘柄分析を頻繁におこなう方は有効活用できるでしょう。
四季報 AI を含めた生成 AI は誤情報を出すリスクが 0 ではないため、事実確認をしながら利用するのが大切です。
境 将(さかい まさる) / 金融特化ライター
FP2級、ビジネス会計検定3級を保有
これまで金融ジャンルの記事を中心に170記事以上を執筆した経験があり、とくに株式投資やFXジャンルを得意としている。
四季報データをAI解析、投資判断を効率化する革新的ツール「四季報AI」
「四季報AI」は、東洋経済新報社の「会社四季報オンライン」をはじめとする記事・データを出典として、証券会社や株主はもちろん、投資家や市場調査担当者などを対象に、株式市場での企業分析をサポートする対話形式のツールです。
東洋経済新報社と提携し、「四季報AI」へのAPI接続提供を開始。四季報AIの膨大な企業情報と市場情報のAIによる分析結果を利用可能になりました。
「四季報AI」の特徴
- 「四季報AI」は、LLMを活用した高度なデータ解析により、株式投資、企業研究に関するユーザーの質問に対して多面的な回答を導き出します。
- 「四季報AI」は、「会社四季報オンライン」をはじめとする東洋経済のメディアに掲載されている情報を主な参照元にしています。参照元を明示することで、情報の信頼性が高まり、また、詳細な情報の検索がしやすくなります。
- 「四季報AI」では今後も、チューニングによる応答の改善やより良いモデルの検討を含め、ご利用状況に対応しながら精度の向上などを行ってまいります。