臨床試験の設計やモニタリングにおいて、疾患知識や競合薬の情報収集に時間がかかると感じたことはないでしょうか。基礎知識のリサーチとインプットは効率的に行い、洗練されたアウトプットを行うことが理想ですよね。
本記事では、生成AIを活用した情報収集を効率化するおすすめプロンプトを3つ紹介とともに、無料対話型生成AIの活用における注意点を紹介します。
また、「ラクヤクAI」などの生成AIソリューションを導入すると、飛躍的な業務効率化が図れます。ぜひ生成AIの力を日々の業務に活用してみてください。
臨床試験準備におけるリサーチの課題:時間と労力の壁をどう乗り越える?
臨床試験を進める上で、疾患や治療法に関する基礎情報の収集は不可欠です。しかし、膨大な文献や情報源を精査し、信頼性の高いデータを収集する作業には多大な時間と労力がかかります。
とくに、疾患の基礎知識や競合薬、代替治療法の詳細な比較は、情報量が多いだけでなく、随時アップデートも求められるため、リサーチに時間を取られてしまう場合も多いでしょう。
こうした課題に対し、生成AIを活用することで、リサーチ業務の負担を軽減し、より効率的かつ正確な情報収集が可能になります。
疾患知識の情報収集を効率化させるプロンプト3選
本記事では、情報収集を効率化するおすすめプロンプトを3つ紹介します。
“疾患名”部分には、臨床試験における対象疾患を入力してください。
【疾患の基本知識の収集プロンプト】
“疾患名”の病態生理、症状、診断基準、現在の標準治療について詳しく教えてください。
それぞれのエビデンスも合わせて教えてください。
疾患の基礎知識は臨床試験において必須情報です。まずは上記のプロンプトにより、基礎知識のリサーチを一括で行いましょう。
また、疾患に関連する情報で他にも知りたいことがある場合は、プロンプトに追記してみてください。
【競合薬や代替治療法の比較プロンプト】
“疾患名”における既存の治療法・競合薬を効果、安全性、費用の観点で比較してください。
それぞれのエビデンスも合わせて教えてください。
続いて、治験薬の競合薬となる、既存の治療方法をインプットしましょう。医師に治験参加を依頼する際には、臨床試験が何のために行われるのかを論理的に伝える必要があります。
既存の治療方法において、どんな課題があるのかを理解することが非常に重要です。
【過去の臨床試験の調査プロンプト】
“疾患名”に関する主要な臨床試験とその結果をまとめてください。
それぞれのエビデンスも合わせて教えてください。
過去の臨床試験情報は、実施中の臨床試験の問題発生を予測するうえで、とても大切な情報源です。疾患の基礎知識と現状の治療方法と比較すると、優先度は落ちますが、生成AIを使用すれば迅速にリサーチ可能のため、軽く目を通しておきましょう。
これらのプロンプトを用いることで、臨床試験に必要な最低限の情報をより効率的にリサーチすることが可能です。また、本プロンプトはエビデンスを合わせて表示させているため、情報の正誤に不安を感じた場合や、より詳細な情報を確認したい場合は、情報源を閲覧するといいでしょう。
無料対話型生成AIのリスクと注意点
知識が全くない状態からの情報収集ツールとして、無料生成AIは優秀ですが、使用する際には注意しなければならない点がいくつかあります。
1つ目は、最新情報のピックアップや論文理解には限界がある点です。現在数多くリリースされている無料生成AIは、比較的新しい情報をインプットされているものの、最新の研究結果や論文情報はカバーできていません。
また、安全性情報や添付文書などのより専門性が高い文書理解にも限界があるため、あくまで一般的な知識の収集に留まります。
2つ目は、整合性チェックやエビデンスチェックは欠かせない点です。生成AIの原理上、100%の精度で回答を行うことは不可能であり、公的な場における情報源にするためには、必ず生成AIが参考にした引用元を確認する必要があることを覚えておきましょう。
とくに、無料で使用可能な生成AIは、回答の精度が悪いことも多いため、飛躍的な業務効率化にはつながらない可能性もあります。
「ラクヤクAI」なら最新の医学論文や安全線情報から、必要な情報を抽出可能!
製薬業界向け生成AIソリューション「ラクヤクAI」なら、医学論文や安全線情報などの専門的かつ情報量の多い資料をインプットし、必要な情報を検索・抽出が可能です。
また、PMDAや厚生労働省などの公的機関の通達もインプット済みのため、本記事で紹介した汎用的なリサーチだけでなく、例えば、「●●という薬剤の生じる重 篤な副作用で頻度の高いも のを教えてください」のような、具体性の高い質問にも回答できます。
さらに「ラクヤクAI」は、社内マニュアルやSOPもインプット可能なため、業務手順に関する疑問や、社内ルールに関する疑問に対しても回答可能です。
無料対話型生成AIと比較しても、「ラクヤクAI」の導入は、従来までの情報収集業務および検索業務を大幅に効率化できるといえます。
まとめ
臨床試験準備におけるリサーチ業務は、時間と労力がかかる課題ですが、本記事で紹介したプロンプトを活用することで、疾患に関する基礎的な知識の効率的な収集が可能になります。
また、「ラクヤクAI」のような専門性の高いツールを導入すれば、業務効率化がさらに進むでしょう。
生成AIの力を活用し、リサーチの質とスピードを向上させてみてください。
すねお / 医療ライター
臨床検査技師との兼業webライターとして活動を開始。SEO~インタビューまで幅広いコンテンツを作成している。
製薬業界で生成AIを活用する「ラクヤクAI」
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