
医療AIを活用することで、医療従事者の業務負担の軽減につながることをご存知でしょうか。AIを有効活用することで、業務効率が向上し、医療の質の向上も期待できます。
本記事の内容は、AIが医療・製薬業界にもたらすメリットを解説します。AIの活用事例を知り、自部門のアウトソーシング化を検討してみてください。
医療従事者不足の背景とAIによる対策
昨今、医療現場における医療従事者の不足が問題視されています。経済協力開発機構(OECD)の報告によると、日本の人口1,000人あたりの医師数は2.4人であり、OECD加盟国36カ国中ワースト5位です。
2024年4月からは医師の働き方改革が始まり、時間外労働の上限規制が設けられたため、今後も医師不足が懸念されています。
このような中で注目されているのが医療AIです。AIの力で医療従事者の業務を効率化させ、医療の質の向上が図られています。
医療AIがサポートできる領域
厚生労働省の「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」で挙げられている医療AIの開発重点領域は以下のとおりです。
- ゲノム医療
- 画像診断支援
- 診断・治療支援
- 医薬品開発支援
- 介護・認知症ケア支援
- 手術支援
それぞれの取り組みを詳しく紹介していきます。
ゲノム医療
AIによってゲノム(遺伝情報)を解析し、病気のリスクや薬の効き方を予測・判断し、患者に適した診療を提供するゲノム医療が注目されています。
たとえば、がんゲノム医療では、がん患者の遺伝子変異を明らかにすることが可能です。これにより、患者ごとの病状や体質、薬の反応や副作用を予測し、適切な治療につなげやすくなります。
しかし、全ゲノム解析から得られる情報は膨大であるため、人の手で臨床的に分析するのは困難です。
そこでAIを活用することで、専門家の判断がサポートできるようになり、情報解析がスムーズに進みます。
画像診断支援
AIを利用した画像診断支援により、骨や脳、肺や胃、乳房や目といった部位の画像を解析し、病変を発見する技術が向上してきました。
たとえば、大腸内視鏡検査で取得した画像をAIで解析することで、ポリープが腫瘍かどうかをパーセンテージで示せるようになっています。
また、肺を対象とした画像診断支援も進んでおり、実用化したものの中には、新型コロナウイルス感染症の肺炎診断をサポートするものもあります。
さらにAIがMRIやX線CT画像から異常所見を提示したり、病変を識別したりして診断をサポートする技術も注目され始めました。
AIによる画像診断では、人間よりも素早く高い精度で判定できる可能性があるため、疾患の早期発見にも貢献できると考えられています。
診断・治療支援
病気の診断過程では、さまざまな症状を分析し、既知の疾患と結びつけます。しかし、専門外の病気や症状だった場合、診断が困難になることがあるでしょう。
このような場合にAIを活用することで、さまざまな論文や書籍などから情報収集できるようになり、円滑な解析をしやすくなります。
また、血液検査やレントゲン、CTなどを含む各種検査結果と症状を踏まえ、病気の診断を支援してくれることもあります。
これにより、医療の質の向上や医師の診療効率化につなげやすくなるでしょう。
医薬品開発支援
AIを活用することで、新薬開発にあたり必要な有効成分となる化合物候補の絞り込みに役立ちます。
また、AIが生体分子やヒトゲノムなどの情報について学習することで、新たなバイオマーカーなどの創薬ターゲットを効率的に発見しやすくなります。
治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズを満たす医薬品開発を進めることが可能です。
化合物の構造や設計の最適化もシミュレーションできるため、開発期間や開発費用の短縮が期待できます。
介護・認知症ケア支援
AIを活用し、センサーで高齢者の行動を記録したり、様子を見たりすることで、日常生活のサポートが可能です。
また、患者の加齢にともなう体の変化を把握し、呼吸数や脈拍、体温や血圧といったバイタル情報をAIに学習させることで適切な診断・治療につなげやすくなります。
慢性期医療の質の向上や寝たきり防止、認知症の早期発見にも活用できる可能性が期待されています。
手術支援
AIを使用することで、手術を間接的もしくは直接的に支援することが可能です。たとえば、手術中の画像データを解析し、医師の治療支援をリアルタイムでおこなうシステムや、手術支援ロボットとAIを融合して手術を自動化する支援などがあります。
また、支援にとどまらず、医師の手を借りずにロボット自体が手術を成功させる事例も報告されています。
今後もAIによる手術支援の技術が向上し、医療従事者の効率化が進んでいくことが期待できるでしょう。
ラクヤクAIで製薬業界の業務支援へ
製薬業界における医薬品開発の過程では、膨大な数の資料作成や、データベース検索といった業務が想定されます。
アウトソーシングを検討するも、精度の面で懸念が残り、外注できないケースがあるかもしれません。
ラクヤクAIは、膨大なビッグデータからインプットをおこない、創薬における文書・資料の自動生成や、薬剤情報・ナレッジの検索を加速し、円滑に進めるツールです。
求める成果物のクオリティを満たすために必要な精度が備わっているため、外注化がしやすくなるでしょう。
また、多種多様な治験関連文書 ・ 薬剤プロモーション資材の作成などがスムーズに進むため、創薬にかかる時間や人的コストの削減が期待できます。
ラクヤクAIを活用し、創薬事業で生じる時間を短縮し、業務効率の向上や人件費削減につなげましょう。
医療・製薬業界でAIを活用して医療従事者への支援につなげる
医療AIは、画像診断や治療支援などの領域で医療従事者をサポートできるツールです。有効活用することで、医療の質の向上や、医療従事者の業務効率の向上につなげられます。
また、製薬業界では、膨大な数のデータ検索や作成業務などでも有効活用できます。アウトソーシングできる業務を洗い出し、AIに委託することで、企業の業務効率化を目指しましょう。

医療ライターゆし
大手医療機器メーカー(東証プライム市場上場)にて10年間営業職を経験したのち、現在は医療専門Webライターとして活動中。大手医療系オウンドメディアや医療機関のホームページなどで多くの医療SEO記事・症例/疾患記事・取材記事・LP制作に携わっている。
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