近年、AIの世界で注目を集めているのが「マルチモーダルAI」です。OpenAI社の「ChatGPT」や、Google社の「Gemini」など、さまざまな生成AIツールに採用されています。
今回の記事では「マルチモーダルAI」をわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
マルチモーダルAIとは
マルチモーダルAIとは、文字だけでなく、画像や音声、動画など、さまざまなモダリティを組み合わせて処理できるAIのことをさします。モダリティとは、情報が持つ形態のことで、テキストや画像、音声・動画などがその例です。
わたしたち人間は、見る、聞く、触れるなど、複数の感覚を使って情報を得ながら認識し、あらゆる事象を理解しています。マルチモーダルAIはこの人間の認知プロセスに似た機能を持っているのが特徴です。
たとえば、マルチモーダルAIに「この写真の中の人物は誰ですか?」と質問すると、AIは「画像」と「テキスト」の異なる情報から判断して、適切な回答をしてくれます。あるいは、料理動画を添付し「この料理の作り方を教えてください」といえば「動画」と「音声」という情報を解析して、レシピを文章で教えてくれるでしょう。
従来のAIは、1つのモダリティにしか対応できませんでした。しかし、マルチモーダルAIは複数のモダリティを横断して情報を統合できるため、より人間に近い認知や理解が可能になったのです。
マルチモーダルAIの核となる技術
マルチモーダルAIの核となる技術は、「マルチモーダル学習」と呼ばれる深層学習の手法です。マルチモーダル学習では、画像、テキスト、音声などのモダリティを表すデータを、1つの人工知能モデルに入力して学習させます。これにより、AIはさまざまなモダリティ間の相関関係を自動的に学習できるのです。
まとめ
現在、マルチモーダルAIは急速に発展しています。Google社やOpenAI社、Anthropic社といった企業が競ってマルチモーダルAIの研究開発に力を入れており、近い将来、わたしたちの生活に大きなインパクトを与えるはずです。
マルチモーダルAIが実用化されれば、今よりずっと自然でスムーズなコミュニケーションが可能になるでしょう。テキストと画像と音声を複合的に扱えるAIアシスタントがさまざまな作業をサポートしてくれる日も遠くないかもしれません。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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