昨今、OpenAIの「ChatGPT」や、Googleの「Gemini」など、さまざまな生成AIサービスが誕生し、多くの人に利用されています。そんななかで「Groq」という生成AIが話題となっているのをご存知でしょうか?
今回の記事では、生成AI「Groq」の解説や、ChatGPTとの違いなどを解説します。
Groq とは
「Groq」とは、元Googleのエンジニアである『Jonathan Ross』が創業したGroq Inc.が作った会話型生成AIです。2024年3月時点では無料で利用できます。
そんなGroqがなぜ話題となっているかというと、回答の速さが他の生成AIと比べて桁違いだからです。
実際にGroqとChatGPTに下記の質問をし、回答が完了するまでの時間を測定しました。
「500文字のストーリーを生成してください。舞台は未来の都市。ストーリーでは技術進化と人間関係が重要な役割を果たすことを強調してください。」
その結果、回答にかかった時間は下記のとおりです。
Groq=約5秒
ChatGPT4=25秒
GroqとChatGPT4(有料版)で、回答速度に約5倍の差がでました。数字で見ると「たった5倍か」と思う方もいるかもしれませんが、実際に使用してみると想像以上の速さです。
Groq が高速回答を実現できた理由
Groqの回答速度が早い理由は、Groq Inc.が独自に開発したLPU(Language Processing Unit)という処理エンジンのおかげです。
通常のLLM(大規模言語モデル)で使用される処理エンジンのGPUとは違い、LPUはLLMに特化した処理エンジン。LLM上で効率よく言語処理してくれるため、従来の生成AIよりもスピードが速いのです。
Groq の使い方
Groqはアカウント登録をするだけで、無料で利用できます。
https://groq.com/
使い方はシンプルで、入力バーにプロンプト(指示文)を入力し、紙飛行機のマークをクリックするだけです。
GroqとChatGPTはどちらが使いやすいの?
筆者はGroqとChatGPTのどちらも使ってみましたが、ChatGPTのほうが使いやすいと感じました。なぜならGroqは、日本語での回答の質が低いからです。
Groqは、LPUを使用した処理速度は速いものの、独自のLLMは搭載していません。現在はMeta社がオープンソースとして公開している『LLaMA』というLLMを活用しています。
ただ、英語での出力は問題ないため、英語でリサーチをしたい場合などは活用できるでしょう。回答にかかる時間が少ないため、英語圏のユーザーであればChatGPTからGroqに乗り換えるという方もいるかもしれません。
まとめ
今回の記事ではGroqの紹介やChatGPTとの違いなどを説明しました。
Groqという生成AIに注目しがちですが、本質は高速処理が可能になったLPUという処理エンジンです。今後もしもChatGPTやGeminiなどの高性能LLMと手を組むようなことがあれば、まさに革命的なLLMが誕生するのではないでしょうか。
まだまだAIの分野は、我々の想像を超えた進化を続けそうです。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
生成AIによる専門文書の精密な翻訳ソリューション
T-4OOは、LLM (大規模言語モデル) を用いた画期的な翻訳アルゴリズムにより、従来のNMTモデルとの比較で文脈や語調・書き振りをより自然に反映しながら、専門用語や参考文献に基づいた高い翻訳精度を実現。
細分化された2000の分野に対応し、ビジネス・研究開発の専門文書の翻訳など、様々なシーンで活用されてます。
「T-4OO」の機能と特徴
- 専門2000分野・100言語をカバー
- スキャン画像PDFも丸ごと翻訳
- 社内・業界フレーズを自動学習
- Web上でラクラク訳文編集
- その場で解決 電話でサポート
単に文字を翻訳するだけでいいというわけではありません。
T-4OOは、業務フローにこだわった多彩な便利機能で業務効率化を強力にサポートします。