Googleが新たに発表した「Gemini」は、ChatGPTを超える機能を持つ生成AIとして注目されています。この記事ではGeminiの概要や特徴、ChatGPTとの違いまでわかりやすく解説していきます。
Gemini とは
Geminiは、Google が開発したマルチモーダル生成AIです。
マルチモーダルとは、複数の情報処理を組み合わせる技術で、Geminiはテキストだけでなく、画像や音声、動画などの情報を理解することで、より豊かな表現や正確な回答を実現します。
たとえば、
- 画像を見て、その内容を説明する
- 音声で指示を出して、文章を生成する
- 動画の内容を理解して、字幕を自動生成する
などの処理が可能で、幅広い分野での活躍を期待されています。
ちなみに、英語的な発音は「ジェミナイ」ですが、日本語では「ジェミニ」と呼んでも問題ないようです。
バージョンの違い
Geminiは、利用者のニーズに合わせて3つのバージョンが提供されています。個人利用からビジネスシーンでの利用まで、幅広いユーザーが自分に合った形でGeminiを活用できるでしょう。
バージョンは下記3つです。
- Gemini Nano
- Gemini Pro
- Gemini Ultra
以下、詳しく解説します。
Gemini Nano
Gemini Nanoモデルは、スマートフォン(現在はGoogle Pixel 8 Proに搭載)での利用を前提に設計されているモデルです。外部サーバーへの接続なしに、デバイス上で効率良くAIを動作可能。情報のリサーチやテキストの要約といったタスクを素早く実行できます。
Gemini Pro
Gemini Proは、3つのバージョンの中位モデルにあたります。今までGoogleが提供していたAIサービスの『Bard』から『Gemini』という名称に変更され、高性能なマルチモーダル生成AIを無料で利用できます。
無料版のGeminiという位置づけといえるでしょう。
Gemini Ultra
最上位モデルであるGemini Ultraは、Gemini Proよりも性能が高く、有料版でのみ提供されています。Gemini Ultraは、大規模言語モデル(LLM)の研究や開発において使用される性能比較32項目のうち、30項目においてChatGPTの最高位モデルである「GPT-4」を上回ったとされています。
Geminiの利用方法
Gemini Nano とGemini Proは無料で利用できます。
現時点 (2024年2月時点) では、Gemini NanoはGoogle Pixel8 Proに搭載されており、デバイス上で利用可能です。
Gemini Proは、Googleのテキスト生成AIサービス『Bard』が名称変更され、『Gemini』としてウェブ上で無料公開されています。Gemini Proはマルチモーダル生成AIなので、無料版のChatGPT(無料版はテキスト生成AI)よりも性能が高いといえます。
一方で、最高性能を持つ『Gemini Ultra』の利用は有料となっており、“Google One”というサービスの「AI Premiumプラン」に登録することで利用可能です。
AI Premiumプランは月額2,900円(税込)で、2TBのストレージ容量があったり、GmailやGoogleドキュメントがAIと連携できたりなど、さまざまな特典も付随しています。
現在(2024年2月時点)は、2ヶ月無料プランも提供されているため、お試しで登録してみるのもよいでしょう。
GeminiとChatGPTとの違い
GeminiとChatGPTはどちらもマルチモーダル生成AIで、テキストの生成や画像の生成が可能です。筆者が利用した限り、両者ともに似たような性能を持っていました。
ただ、Geminiはすべてのバージョンでマルチモーダルに対応していますが、ChatGPTは有料版である「GPT-4」でしかマルチモーダルに対応していません。
また、GeminiはGoogleの検索エンジンと連携しているため、リアルタイムの情報も回答してくれますが、ChatGPTは基本的に2023年4月時点までの情報しか知らないため、リアルタイムの情報は回答してくれません。
無料版で利用したい場合や、リアルタイムの情報が知りたい場合は、Geminiの方が高性能といえるでしょう。
また、Googleが公式で出している性能テストでは、GPT-4を上回るスコアを獲得したとのこと。
引用元:https://japan.googleblog.com/2023/12/gemini.html
現時点では、拡張性や使い勝手の良さなど、ChatGPT有料版に軍配が上がる印象ですが、Geminiの今後にも期待できます。
まとめ
今回の記事ではGoogleが提供している「Gemini」について解説しました。
Geminiは膨大な学習データを保持しているGoogleが開発した生成AIなので、今後もさらに性能が高くなっていくことが予想されます。
今後はGoogleの各サービスとGeminiの連携も進んでいくでしょう。
生成AIの世界はどんどん進化しているので、今後が楽しみです。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
製薬業界で生成AIを活用する「ラクヤクAI」
このように今後の活用が期待される生成AIですが、中でも注目を集めるのが製薬分野です。
「ラクヤクAI」は、治験関係書類や添付文書といった社内外の膨大なデータを活用し
製薬事業のあらゆるシーンを効率化する専門文書AIサービスです。
基礎研究から製造販売後調査まで、多岐に渡る製薬業務の中で取り扱われる
様々な文書の作成・チェック作業を自動化し、圧倒的な業務スピード改善を実現します。
「ラクヤクAI」ご活用シーン(例):
■ 治験関連文書やプロモーション資料の自動生成
■ 作成資料のクオリティチェックや、資料間の整合性チェック
■ 講演内容(資料・音声)の適用外表現モニタリング
■ 薬剤情報やナレッジの検索・調査
その他、個別カスタマイズが可能な生成AI環境で、
社内の知見を統合的に分析・集約したアウトプットをセキュアな環境をご提供します。