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タイムパフォーマンスのビジネスにおける重要性とは?向上例も解説

January 31, 2024

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この記事では主に管理職や経営者に向けて、タイムパフォーマンスのビジネスにおける重要性やタイムパフォーマンス向上に取り組むメリット、向上するやり方の例について解説します。

タイムパフォーマンス(タイパ)は、特にZ世代以下の新社会人に支持される考え方を起源としています。たとえば、動画の倍速視聴、完全栄養食を利用した食事の置き換えなどZ世代に多く見られる消費行動は、タイパ意識のあらわれと言えるでしょう。

「費やした時間に対してどの程度の効果が得られたか」というタイムパフォーマンス意識は、消費行動だけでなくビジネスでも重要です。時間対効果を高めようとする意識を持って業務を進めれば、業務生産性の向上が可能です。

この記事では、タイムパフォーマンスのビジネスにおける重要性やタイパ向上に企業が取り組むメリット、向上するやり方の例について解説します。

1. タイムパフォーマンスとは

タイムパフォーマンス(タイパ)とは、「費やした時間に対してどの程度の効果が得られたか(時間対効果)」を示す言葉です。使い方の例として、短い時間で高い効果や満足感が得られた場合に「タイパが良い」と表されることが挙げられます。一方、時間の割に効果が低い場合は「タイパが悪い」のように使われるのが一般的です。

タイムパフォーマンスという言葉や考え方は比較的最近生まれたものであり、以前から社会に浸透していた「コストパフォーマンス(コスパ)」から派生したと言われています。なお、コストパフォーマンスは「費用対効果」を意味しており、かかった費用に対してどの程度の効果が得られたかを示す言葉です。
タイムパフォーマンスは「時間」を軸にした考え方であり、コストパフォーマンスは「費用」を軸にした考え方であることを押さえておきましょう。

1-1. ビジネスシーンにおけるタイムパフォーマンスの重要性

タイムパフォーマンスという言葉・考え方は、Z世代(1990年代中盤~2010年序盤に生まれた世代)など若者を中心に広がった言葉・考え方です。しかし最近では、下記のような理由から、ビジネスシーンでのタイムパフォーマンスの重要性が注目を集めつつあると言われています。

◆ビジネスシーンにおいてタイムパフォーマンスが重要視される背景

  • 若い世代の働き方に関する価値観
    Z世代を中心とする若い世代は「デジタルネイティブ世代」であり、動画などのコンテンツから短時間で情報収集を行い、情報を取捨選択する必要がある環境で育っています。仕事や消費行動においてもタイムパフォーマンス意識(タイパ意識)が強く、短時間で効率的に成果を出してプライベートを充実させたいと考える方も珍しくありません。消費者庁の調査では、10代後半から20代の新卒世代では、約6割がタイパを意識しているとの結果も出ています。

    Z世代は、現在の中学生~30歳前後の年齢層に相当します(2024年時点)。若い世代との価値観・キャリア観のギャップを解消するためにも、企業側が「タイムパフォーマンス重視」という価値観に対する理解を深める必要があるでしょう。
  • 生産性向上の必要性
    日本の労働生産性は諸外国と比べて低く、公益財団法人日本生産性本部が行った調査では、OECD加盟38か国のうち日本の労働生産性は27位となっています。理由として長期間労働やデジタル化の遅れが挙げられており、生産性向上は企業にとっての重要な課題です。

    日本企業が国内外での競争力を高め、人材不足に対応するためにも、時間に対する労働生産性(タイムパフォーマンス)を高めることが大切です。したがって、タイパ意識を従業員・社員に持ってもらう必要があるでしょう。

(出典:消費者庁「令和4年度消費者意識基本調査」/https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_002/assets/consumer_research_cms201_230613_11.pdf
(出典:公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較2022」/https://www.jpc-net.jp/research/detail/006174.html

2. 企業がタイムパフォーマンス向上に取り組むメリット

企業を挙げてタイムパフォーマンス(=労働生産性)の向上に取り組めば、自社の競争力を向上でき、利益も上がるでしょう。さらに、人材確保や人件費などの点からも多くのメリットがあります。

以下では、企業がタイムパフォーマンス向上に取り組むメリットの中でも、代表的なものを3つ解説します。

2-1. Z世代をはじめとする若い人材に訴求できる

タイムパフォーマンスは、Z世代を中心とする若い世代から特に支持される考え方です。特にZ世代以下の人材は仕事面でもタイパ志向が強く、タイパの良い職場を求める傾向があります。企業が自社のタイムパフォーマンスを向上する取り組みを積極的に行うことで、Z世代をはじめとする若い人材に自社をアピールできるでしょう。

Z世代を含む若い世代はタイパ重視の傾向が強いものの、仕事に対する熱意が低いわけではありません。タイムパフォーマンスを意識した企業は、ワークライフバランスや業務の効率性、仕事の質を重視するという仕事観をもつ若者世代にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。

2-2. 残業時間や人件費の削減につながる

タイムパフォーマンスの向上にむけて取り組むことで、従業員全体にタイムパフォーマンスの意識が浸透し、業務の効率化が進むというメリットもあります。同じ時間でどこまで成果を上げられるかを各社員が突き詰めて考えるようになれば、従業員一人ひとりが「ムリ・ムダ・ムラ」なく効率的に働けるでしょう。結果として残業などの時間外労働を減らせ、残業代などの人件費の削減にもつながります。

また、日常業務において時間的な余裕が生まれることで、既存事業を見直したり新規事業を立ち上げたりする時間・人材を確保できる点もメリットです。企業や組織の成長・発展を図るためにも、タイムパフォーマンスを向上する取り組みが大切です。

2-3. 従業員満足度が向上する

タイムパフォーマンスを向上させるメリットの1つとして、従業員のモチベーションや満足度の向上につながることも挙げられます。

従業員一人ひとりの負担の大きい業務が多い状況や一部の人材に業務負担が偏っている環境では、従業員のモチベーションが低下し、離職へとつながる恐れがあります。タイムパフォーマンスの向上には業務効率化や業務の適正化といった社内の業務改善が必須です。タイムパフォーマンスの向上のために業務を改善すれば、自然と従業員のモチベーションを向上させ、離職率の低下を図れます。

また、業務効率化によって残業時間が減少すればプライベートの時間も確保しやすくなり、ワークライフバランスの向上も期待できます。時短勤務のような働き方の多様化も可能となるため、従業員満足度アップにもつながるでしょう。

3. 企業がタイムパフォーマンスを向上するやり方の例

企業がタイムパフォーマンスの向上を実現するには、生産性をアップするための施策を実行することが大切です。代表的な3つの施策について、具体的なやり方の例を紹介します。

3-1. 無駄な業務の削減

タイムパフォーマンスを向上するためには、無駄な業務にかける時間を削減することが大切です。まず、現在の業務全体の流れを再確認し、業務を一つひとつ細分化するところから始めましょう。どのような作業・タスクが必要とされており、それぞれにどの程度の時間がかかっているのか、業務全体の現状を把握します。

業務の細分化を行わずに施策を進めると、無駄な業務を削減するために解決すべき課題を抽出できない可能性があります。必ずすべての業務をチェックし、現場の従業員と一緒に「ムリ・ムダ・ムラ」などの課題を洗い出しましょう。
その上で、「その業務をなくせるか」「ほかの業務とまとめられるか」「順序を最適化できるか」「業務を簡素化できるか」の順で考えて、無駄な業務の削減に努めてください。

3-2. 業務の可視化と管理

業務効率化やタイムパフォーマンスの向上を実現するには、業務をリアルタイムで可視化して管理することも大切です。企業が抱えている業務の内容や量、担当者、業務の流れなどを可視化すれば、無駄な作業や業務量の偏りを早期に把握できます。優先度を考慮した業務フローの見直しや業務配分の適正化により、作業効率の向上を図れるでしょう。

従業員数が多く、業務内容を把握するだけで管理側の業務負担が膨大になると予想される場合は、業務可視化に適したツールを導入することもおすすめです。従業員が使いやすい管理ツールを選んだ上で使用マニュアルを作成し、業務管理やタスクマネジメントが簡単にできる体制を整えましょう。

3-3. 自動化ツールの導入

データ入力や定期的なレポート作成のように、手順やフォーマットが決まっている作業(定型業務)に関しては、ITツールによるデジタル化・自動化を検討することも重要です。人の手で行うと時間を要する単純作業をデジタルツールに任せれば、タイムパフォーマンスを大幅に向上できます。
外国語を扱う機会が多い企業の場合は、自動翻訳ツールの利用もおすすめです。専門用語に強い高精度なAI自動翻訳ツールや、自動文字起こし・翻訳ツールなどを活用すれば、業務効率も大きく向上するでしょう。さまざまなツールを比較検討した上で、自社に適したものを選ぶようにしてください。

まとめ

タイムパフォーマンスはビジネスにおいて重要な「生産性向上」につながる要素です。会社を挙げてタイパ意識を持ち、タイパ向上ができる施策を積極的に行えば、生産性がアップし、利益率や従業員満足度向上も可能になります。特にタイパ意識の高いZ世代にとって魅力的な企業となれるのもメリットです。

タイムパフォーマンス向上にあたっては、業務を可視化し、無駄な業務の削減と管理、自動化を推進する必要があります。たとえば、特に外国語を扱う機会が多い場合、自動翻訳ツールを導入するとよいでしょう。

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