
生成AIの起源とは?
AIは新しい技術ではない、でもいつ開発されたのでしょう?
生成AI」について理解し、私生活の体験やビジネス向けで活用することを目的とした今シリーズです。
前回の記事では「従来のAIと生成AIの違い」について紹介しましたが、今回のコンテンツでは「生成AIの起源」について解説します。
生成AIの祖先「ELIZA」
昨今「ChatGPT」をはじめとした生成AI技術が話題となっていますが、生成AIの歴史は意外と古く、1960年代にさかのぼります。
1956年に米国で開催されたダートマス会議にて、AI(人工知能)という言葉が生まれましたが、1960年代から生成AIの研究も活発になります。その結果、1966年にジョセフ・ワイゼンバウムという研究者が「ELIZA(イライザ)」を開発しました。
ELIZAは世界初の対話型AIモデルとして当時話題となり、生成AIモデルの祖先のような存在。iPhoneに搭載されている「Siri」の原型とも言われています。
心理療法士を模倣するようにプログラムされたELIZAは、人間が事前に学習させたルールやデータ情報に従って、回答を生成する対話型AIでした。複雑な内容での質問には答えられないものの、人間と会話しているかのようなAIの回答に世界は衝撃を受けました。
ただ、学習させるデータ情報やルールにも限度があり、複雑な質問には答えられない当時のAI技術は「実世界にある複雑な問題は解けない(トイ・プロブレム)」とされ、第一次AIブームが収束に向かいます。
1966年には米政府が「AIは社会に実用不可能」と発表したことも大きな打撃のひとつでした。
ただし、前前回触れた通り、その後、AIの第二ブームや第三ブームが訪れ、AI技術は進化を続け、ビジネス課題を解決するための新たなツールとなりました。最近の生成AI技術の登場により、AIはテキスト生成や画像生成、動画生成など、多岐にわたるビジネス領域での活用が進んでいます。
まとめ

今回の記事では生成AIの起源であるELIZAを紹介しました。
現在の生成AIのレベルからすると簡素なプログラムでしたが「質問に対して人間のように返答してくれるAI」ということで、当時の世界には相当な衝撃を与えました。
今では生成AIの活用が当たり前ですが、当時の米政府が生成AIを「実用不可能」と発表したのも興味深いですね。
次回の記事では、「生成AIの研究が加速した2000年代」について解説します!お楽しみに!

AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。