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人材が不要となる?機械翻訳の進化の一因「ディープラーニング」とは

February 19, 2024

  • ビジネス
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この記事のポイント

  • 最新の機械翻訳はビジネスでも実用的なレベルまで精度向上
  • 機械翻訳導入により人件費が大幅削減
  • 購入前に機能や操作性を要チェック

海外との取引で精度の高い翻訳が必要となったり、外国語の文献の翻訳が必要となったりと、グローバル化するビジネスシーンにおいて高精度な翻訳が必要となる場面が増えてきています。
現在使用している無料の翻訳ソフトに限界を感じ、翻訳者の雇用を検討しているという方もいるのではないでしょうか。

しかし、有料翻訳ソフトの機械精度がここ数年で急速に進化していることはご存知でしたか?
翻訳者の雇用は、現在リリースされている最新の機械翻訳ツールの精度について知ってからでも遅くありません。

今回は、機械翻訳の仕組みや精度向上の根拠、さらに業務における実用性の有無や翻訳ソフトの選び方まで、詳しく解説します。

※本記事は2020年11月時点の情報を記載しています

目次

  1. 機械翻訳の精度を上げた「ディープラーニング」とは
    1. 統計翻訳から更に進化したアルゴリズム
    2. ニューラルネットワークによる翻訳精度向上
    3. 実用的なまでに精度を高める機械翻訳
  2. ディープラーニングで進化した機械翻訳ツールを導入するメリット
    1. 人員のコストダウン
    2. 翻訳作業の効率化
  3. 【目的別】翻訳ツールの選び方
    1. 専門性の高い分野での翻訳が必要な方
    2. 作業の効率化を重視した翻訳ツールをお探しの方
  4. 購入前に機能や操作性を試したい方におすすめの「無料デモ」
  5. まとめ

1. 機械翻訳の精度を上げた「ディープラーニング」とは

機械翻訳の精度が飛躍的に進歩した要因は、翻訳エンジンにディープラーニング(深層学習)を導入したことにあります。
ディープラーニングとは、人工知能がデータの特徴や構造を自ら学習し、解釈・分類する機械学習の手法です。
ディープラーニングの導入により、これまで人間が介入し設計していた領域は性能の高いコンピューターが担うこととなりました。
画像認識や音声認識に続き、自動翻訳の分野でもパラダイムシフト(革新)をもたらしているのです。

1-1. 統計翻訳から更に進化したアルゴリズム

1950年代にコンピューターを使った機械翻訳技術の研究が始まって以降、長期にわたって使われていた方法は、開発者が設計した構文ルールや文法に沿って訳す「ルールベース翻訳」でした。

そのルールベース翻訳にとってかわり、導入された新しいアルゴリズムが1990年前後に台頭した「統計翻訳」です。統計翻訳は膨大な対訳データを集積・活用することで、正しい翻訳結果へ導きます。
統計的アプローチにより翻訳の正確性はめざましく向上し、統計翻訳は機械翻訳の歴史における「最初のブレークスルー」と言われていました。

しかし、その後2016年にはさらに翻訳精度が向上し、「2度目のブレークスルー」が訪れます。
この「2度目のブレークスルー」で、統計翻訳をさらに進化させた新しいアルゴリズムをもつ「ニューラル翻訳」が登場しました。

1-2. ニューラルネットワークによる翻訳精度向上

ビッグデータを活用し、単語パーツごとに訳語を見つける統計翻訳のアプローチをさらに発展させたのが、ニューラルネットワークによる自然言語処理です。
ニューラルネットワークとは、人間の脳内にある神経細胞の仕組みが数式モデルで表現されたもので、Google社をはじめとした世界の研究グループから、言語学習や多国間交渉において大いに期待されています。

従来の統計翻訳では、同じ言葉で2通りの意味を持つ言葉を前後の文章で判断して英訳することが苦手でした。
しかし、ニューラルネットワークを用いた機械翻訳では「言葉の文脈を読む」ことができるため、「背が低い」「賃金が低い」など同じ読み方で2通りの意味を持つ言葉が入る文章も、瞬時に正確な言葉で翻訳することが可能です。

また、英語から日本語に訳す場合、ソース文を単語単位にベクトル化する分散表現と呼ばれるシステムを用いて定義づけ、対訳コーパスからターゲット文となる日本文を生成し、英訳文を作成します。
もちろん日英だけでなく、言語ルールの異なるフランス語、フィンランド語、ベトナム語、さらには世界中のマイナー言語との言語ペアにも応用可能です。

このように、ニューラルネットワークの導入以降、機械翻訳の進化は目覚ましく、さまざまな産業での応用が期待されています。

1-3. 実用的なまでに精度を高める機械翻訳

すでにいくつかの分野では、機械翻訳の実用化が始まっています。
特許関連など専門分野に特化した文章を翻訳するサービスや、技術マニュアルなどビジネス文章を翻訳するサービス、さらに100ヶ国語以上の言語に対応したクラウド型の翻訳サービスなど、実用的な精度を擁した機械翻訳が続々と誕生しています。

機械翻訳の特徴はAIがデータを学習していくことにあるので、業界用語に特化した運用も可能です。機械翻訳がグローバルな企業活動のメインエンジンとなる未来は、目前に迫ってきています。

2. ディープラーニングで進化した機械翻訳ツールを導入するメリット

上述したように、ディープラーニングにより進化した機械翻訳が発展を見せる中、民間向けのサービス、翻訳ツールのリリースも進んでいます。

機械翻訳を導入した企業には、主に2つのメリットがあります。

  • 人員のコストダウン
  • 翻訳作業の効率化

ここからは、それぞれのメリットについてさらに詳しく説明していきます。

2-1. 人員のコストダウン

機械翻訳導入によるメリットのひとつは、さまざまなシーンでの活用でコストダウンを図れる点です。

例えば、海外企業との新規取引が始まり、先方と文書やメールのやり取りが発生することとなった場合、これまではアウトソーシングに頼るか翻訳者を新規雇用するしかありません。
しかしコストがネックとなり、採算面を理由にプロジェクトを断念せざるを得なかったというケースもあるのではないでしょうか。
また、自社製品を数十ヶ国以上展開しており、新製品発売のたびにマニュアルや品質保証書などを多言語翻訳しなければならないようなケースでは、英訳だけでは足りません。
そうなれば、翻訳者を雇い続けるためのコストは非常に大きくなり、最悪の場合「経営難」となることも充分考えられます。

しかし、機械翻訳ツールの場合は必要な時だけ費用がかかり、価格も非常にリーズナブルです。
機械翻訳ツールを導入することは不要となる翻訳者の人件費と必要となる機械翻訳ツールの費用との差額で大きなコスト削減に繋がります。
人件費をコストダウンさせることで、より注力すべき領域へ経営資源を投入できるということは、会社にとって大きなメリットとなるのではないでしょうか。

2-2. 翻訳作業の効率化

もうひとつのメリットは、翻訳作業の効率化です。機械翻訳導入により効率化できる業務は、以下の通り多岐にわたります。

  • 海外取引先と交わすビジネス文書の翻訳
  • 自社製品の販路拡大に際して、現地商社と交わす文書の翻訳
  • 導入した海外製機材の取扱説明書の翻訳
  • 海外展開する自社製品の取扱説明書の翻訳
  • 引用文献の翻訳
  • 無料翻訳ツール利用後の調整

機械翻訳は仕入れから製造、営業、総務経理、人事まで幅広い業務範囲において応用可能です。さらに業務効率化はビジネスを円滑にするだけでなく、携わる社員のモチベーションにも好影響を与えます。

今までGoogle翻訳など無料で利用できる翻訳ツールで文章を翻訳した後、正確に翻訳されていない部分を微調整していた方も、精度の高い機械翻訳を導入する事により無駄な作業を省き、業務の効率化が図れます。

このように幅広いシーンでの作業効率が数倍上がることは、結果としてコスト削減にも大きく繋がるのではないでしょうか。

3. 【目的別】翻訳ツールの選び方

ここまで機械翻訳の精度の高さ、導入するメリットについてお伝えしてきましたが、選び方を誤ると業務に役立たない可能性もあります。
そのため、まず機械翻訳を選ぶ際には導入する目的を明確にしておくことが大切です。
導入目的が「観光客向けサービスの品質向上」と「科学文献の翻訳精度向上」では、導入すべき翻訳ツールも全く異なります。

ここからは、目的に合わせた機械翻訳ツールの選び方について解説します。

3-1. 専門性の高い分野での翻訳が必要な方

自社の事業領域に特化した機械翻訳を求めている場合は、当然専門性の高い翻訳ツールを導入すべきです。
さらに、下記の翻訳には高レベルな専門知識が求められます。検討中の翻訳ツールが事業分野に精通しているか、よく調査して選ぶことが大切です。

  • 医薬文献の翻訳
  • 他国企業との各種契約書など、法務分野
  • 裁判判例の翻訳
  • 事業報告書、プレスリリースなどIR情報の翻訳
  • 証券取引に関する翻訳

例えば、株式会社ロゼッタが提供する機械翻訳エンジン「自動翻訳T-4OO」は、医薬・金融・化学・機械・IT・法務など約2,000業界に対応しており、自動翻訳する際に選択した分野に特化したデータベースから適切な訳文を作成できます。
さらに、企業ごとにデータベースへ文書を登録することができ、社内特有の言い回しなどにも対応可能です。翻訳精度は最大95%で、この数字はプロの訳者に求められるレベルと相違ありません。
難易度の高い専門分野の訳文を作成したい方は、このように正確性と特化性のある翻訳ソフトを選びましょう。

3-2. 作業の効率化を重視した翻訳ツールをお探しの方

 

広く業務効率化を図るためには、エンジニアや海外業務担当者だけでなく、事務職や総務経理など多くの社員が使いこなせるツールを選ばなくてはなりません。
業務効率化を主目的に機械翻訳を導入する場合は、使い勝手や導入のしやすさという観点も必要となります。

しかし、「使い勝手」は翻訳ソフトを実際に利用してみなければわかりません。
かと言って、気になる翻訳ソフトを片っ端から導入する必要はありません。現在リリースされている翻訳ソフトの中には、導入前に体験できる無料のデモを提供しているソフトもあります。      

4. 購入前に機能や操作性を試したい方におすすめの「無料デモ」

機械翻訳の導入は、企業にとって大きな決断です。本当に費用対効果が見込めるのか、精度や使用感、セキュリティに問題はないかなど、実際に触って細部を確認したいというケースは多くあるでしょう。

そのようなニーズに応えるのが、機械翻訳の開発企業が提供する無料デモンストレーションです。無料デモを使用すれば翻訳精度を体感できるため、自社に最適な翻訳ソフトかどうかを事前に見極めることが可能です。

「翻訳ソフトの導入を検討しているが、どの翻訳ソフトが良いのかいまいちわからず、結局導入できずにいる」
「有料翻訳ソフトが気になっているが、実際のところ精度がどれほどなのかわからない」

そんな方はぜひ、翻訳ソフトの無料デモを試してみてください。

まとめ

データの特徴を自ら学習するディープラーニングを用いたことで、機械翻訳は飛躍的に進歩しました。文脈を読めるニューラルネットワークの導入は、科学・医療・ITなどの産業界をはじめ、今後さまざまな分野にも良い影響を与えることは間違いありません。

機械翻訳ツールの導入は複数のメリットがありますが、目的に合ったツールを探すことが最も重要です。自社にとって最適な機械翻訳ツールと出会うには、無料デモの活用が近道となるでしょう。

機械翻訳を検討している方はもちろん、これまで翻訳の為に必要な人材を確保していたにも関わらず無駄に作業コストや労務コストがかさんでいた方も、本記事を機に、最適な翻訳ソフトを探してみませんか?

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T-4OOは、LLM (大規模言語モデル) を用いた画期的な翻訳アルゴリズムにより、従来のNMTモデルとの比較で文脈や語調・書き振りをより自然に反映しながら、専門用語や参考文献に基づいた高い翻訳精度を実現。

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