
Microsoftは2025年1月15日(米国時間)、新たなサービスである「Microsoft 365 Copilot Chat」を発表しました。従来の有料版「Microsoft 365 Copilot」とは異なり、無料のチャット機能と従量課金制のエージェント機能を組み合わせることで、企業規模や予算に応じた柔軟な導入が可能になったのです。
本記事では、Microsoft 365 Copilot Chatの機能や活用法について詳しく解説します。
Microsoft 365 Copilot Chat とは
Microsoft 365 Copilot Chatは、企業向けAIチャットサービスです。利用者はMicrosoft 365アプリ全体のツール利用時に「Copilotチャット」に直接アクセスでき、以下のような業務をAIがサポートしてくれます。
- ビジネス文書の作成:提案書やメール文章の作成、文章の校正
- 情報分析:アップロードしたファイルの内容要約や分析
- 業務効率化:よくある問い合わせへの自動応答、定型業務の自動化
- チーム協業:複数メンバーでの文書共同編集
また、必要に応じて従量課金制でAIエージェントを追加できるようになりました。エージェント機能では、以下のような業務を自動化可能です。
- 企業独自の業務プロセスを自動化するAIエージェントの作成
- 社内規定や業務マニュアルへの自動応答
- カスタマーサポート業務の効率化
- 企業データとの連携による高度な自動化
ちなみにエージェント機能は、企業のセキュリティやプライバシーに配慮した設計で、入力された情報は他社に漏れることなく、安全に管理されます。
Microsoft 365 Copilot Chatの主な機能
ここではさらに詳しく、各機能の特徴を解説します。
チャット機能
ユーザーは Microsoft 365アプリを使いながら、直接「Copilotチャット」にアクセスできます。Copilotチャットでは、ビジネス文書の作成を依頼したり、アップロードしたファイルの内容要約や分析を任せたりできるため、さまざまな場面でAIが業務をサポートしてくれます。
また、CopilotチャットはOpenAI社のGPT-4oを搭載しており、非常に性能が高いです。
ファイル連携機能
Microsoft 365 Copilot Chat は、WordやExcel、PowerPointなどのファイルをアップロードし、内容の要約や分析が可能です。会議資料の作成時には、過去の資料をアップロードすることで、重要ポイントの抽出や新しい提案の生成をAIがサポートしてくれます。
Copilot Pages機能
Copilot Pagesは、Microsoft 365 Copilot Chatに搭載された共同作業機能です。従来のドキュメント共有とは異なり、AIを活用しながらリアルタイムで複数人が同時に作業できる環境を提供します。
主な特徴は以下のとおりです。
- リアルタイム編集:複数のユーザーが同時に文書を編集可能
- AI支援:文書作成中にAIからの提案や改善点を受けられる
- コンテンツ統合:Web情報やアップロードしたファイルの内容を簡単に統合
- 変更履歴:編集内容をリアルタイムで確認可能
例えば、営業チームが提案書を作成する場合、一人がフレームワークを作成し、別のメンバーがデータを追加、さらに別のメンバーが文章を校正するといった、効率的な分担作業が可能です。AIが必要に応じて文章の改善提案や、関連情報の追加を提案してくれるため、質の高い文書をスピーディーに作成できます。
エージェント機能
Microsoft 365 Copilot Chatでは、業務プロセスを自動化するAIエージェントを作成できます。例えば、カスタマーサポート部門では「よくあるお問い合わせに自動応答するエージェント」を設定できたり、「社内規定に関する質問に回答するエージェント」を構築できたり、さまざまな業務を自動化できます。
Microsoft 365 Copilot Chatの利用料金と費用構造
Microsoft 365 Copilot Chatは、基本的な機能は無料で利用できます。ただ、一部のエージェント機能などは従量課金制という構造になっています。
無料で利用できる機能
基本的なチャット機能、ファイルのアップロードと分析、Copilot Pagesでの共同作業機能は無料で利用できます。Web上の情報を活用したAI支援も無料枠に含まれています。
従量課金で利用できる機能
エージェント機能は従量課金制となっており、利用形態に応じて異なる料金が設定されています。柔軟な料金体系により、企業は必要な機能を必要な分だけ利用できます。
利用形態 | 料金 |
基本的なWeb応答 | 無料 |
一般的な質問応答 | 1メッセージあたり0.01ドル |
生成型応答 | 1メッセージあたり0.02ドル |
Microsoft Graphデータ利用時 | 1メッセージあたり0.3ドル |
AIエージェントの自動アクション | 1アクションあたり0.25ドル |
※料金は2025年1月時点の情報であり、為替レートにより変動する可能性があります。
例えば、カスタマーサポート部門で1日100件の「基本的な問い合わせ対応を行うエージェント機能」を利用する場合、1ヶ月(20営業日)で約20ドル(2,000メッセージ×0.01ドル)の費用となります。一方、企業データを活用した高度な分析や自動処理を行う場合は、1回の操作でより多くのメッセージを消費するため、コストを考慮した利用計画が重要です。
上記の料金体系に加えて、大量利用向けに月25,000メッセージ分を200ドルで利用できるプランも用意されています。企業は業務内容や利用頻度に応じて、最適なプランを選択できるでしょう。
Microsoft 365 Copilot Chatの活用例
営業支援での活用
商談前の情報収集や提案書作成において、AIが関連する市場データや過去の成功事例を分析し、効果的な提案内容を提示します。また、顧客との会話履歴から重要なポイントを抽出し、次のアクションにつなげられます。
社内ナレッジ管理での活用
社内規定や業務マニュアルをAIエージェントに学習させることで、従業員からの問い合わせに即座に回答できる体制を構築できます。新入社員の教育支援や、部門間の情報共有の効率化にも効果を発揮するでしょう。
まとめ
本記事では、Microsoft 365 Copilot Chatの機能や活用法について解説しました。無料で利用できる基本機能と、従量課金制のエージェント機能を組み合わせることで、企業規模や予算に応じた柔軟なAI活用が可能です。
導入検討の際は、既存の業務プロセスの見直しや、活用目的の明確化を行ったうえで、段階的な導入を進めることをおすすめします。ぜひ各企業の状況に合わせて、効果的な活用を検討してみてください。

AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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