TOP ナレッジ 【Genie2】1枚の画像から仮想世界を生成?Google DeepMindが発表した最新の生成AIを徹底解説! 

knowledgeナレッジ

【Genie2】1枚の画像から仮想世界を生成?Google DeepMindが発表した最新の生成AIを徹底解説! 

January 24, 2025

  • AI
  • Share
【Genie2】1枚の画像から仮想世界を生成?Google DeepMindが発表した最新の生成AIを徹底解説! 

2024年12月4日、Google DeepMindが画期的な生成AIモデル「Genie 2」を発表しました。たった1枚の画像から「探索可能な3D仮想世界」を生成できるGenie 2は、ゲーム開発やAI研究に革新をもたらす可能性があります。 

本記事では、Google DeepMindが発表したGenie 2について、具体的な特徴や活用例を交えながら解説します。 

Genie 2とは?

Genie 2は、大量の動画から世界の仕組みを学習し、3D空間を生成できるAIモデルです。Google DeepMindの画像生成AI「Imagen 3」と連携し、テキストプロンプトから生成された1枚の画像を基に、自由に操作できる3D環境を作り出せます。 

Genie 2は特に「実世界での行動を学習するAIの研究開発」を加速させるために生まれました。ロボットのような実世界で活動するAIの開発には3D環境でのトレーニングが重要ですが、これまではそうした環境の作成に多大な時間と労力がかかっていました。Genie 2は1枚の画像から自動的に3D環境を生成できるため、研究者は必要な訓練環境を素早く用意できるのです。 

また、この技術はゲーム開発の効率化にも活用できることが分かり、幅広い可能性を持つことが期待されています。 

Genie 2の具体的な特徴

高度な3D環境生成機能

Genie 2の最も革新的な特徴は、1枚の画像から完全な3D環境を生成できる点です。従来のAIモデルでは、2D画像の生成や単純な3Dモデリングが限界でしたが、Genie 2は実際に探索可能な3D空間を作り出します。 

生成された環境は最大1分間維持され、その間はユーザーの操作に応じてリアルタイムで新しい景色が生成されます(1分経過後は環境の生成が停止するため、必要に応じて新たな環境を生成する必要があります)。 

例えば、森の中を歩く人型ロボットの画像から、実際に木々の間を歩き回れる3D空間が生成可能です(以下動画参照)。また、視界から外れた部分もAIが記憶しており、視点を戻したときに正確に再現できる空間認識能力も備えています。 

引用元:https://deepmind.google/discover/blog/genie-2-a-large-scale-foundation-world-model

リアルタイムな物理シミュレーション

Genie 2は物理法則に基づいたリアルタイムシミュレーションを実現しています。水の流れや煙の動き、重力の影響など、さまざまな自然現象を正確に再現します。 

従来の物理エンジンでは個別に実装が必要だった現象を、AIが自動的に理解し表現することができます。例えば、水面に乗り物が走ると波紋が広がり、火山から立ち上る煙はリアルな動きを見せます。 

Genie 2の活用例

ゲーム開発での活用

Genie 2を活用すると、ゲームのアイデアを素早く形にして試せます。開発者はテキストで描写したアイデアをImagen 3で画像化し、即座に遊べる3D環境を具現化できるのです。 

従来のゲーム開発では、3D環境の作成に多大な時間と労力が必要でした。ただ、Genie 2を活用することで、アイデアの検証から実装までの時間を大幅に短縮できます。たった一枚のデザイン画を「直接遊べる3D空間」に変換できる機能は、ゲーム作りの工程を大幅に早める画期的なツールとなるでしょう。 

教育・トレーニング分野での活用

Genie 2は、教育・トレーニング分野にも活用されると予想できます。従来の教育現場では、危険を伴う実習や高額な設備が必要な訓練は、実施に大きな制約がありました。Genie 2を活用することで、医療分野における手術シミュレーションや建築学生向けの空間設計演習、災害対応訓練など、さまざまな分野で安全かつ低コストな学習環境を提供できます。 

また、歴史教育では失われた古代建造物を再現し「探索可能な3D環境として体験」など、より深い学習・理解を促進することが可能です。リアルタイムの環境生成能力と物理シミュレーション機能により、従来は実現困難だった実践的な学習体験が実現するでしょう。 

AI研究開発での応用

Genie 2は、AIの学習環境を作るための強力な道具となります。例えば「3D空間の中を動き回るAI」を開発する場合を考えてみましょう。 

これまでは、研究者が3D環境を一から作る必要があり、時間と手間がかかるため、限られた数の環境でしか練習できませんでした。しかし、Genie 2を使えば、「マンションの部屋」「古い民家」「オフィス」など、さまざまな種類の部屋を簡単に作り出せます。さまざまな環境で練習することが可能になり、AIはより賢く成長できるのです。 

また、Genie 2は、Google DeepMindが開発した「SIMA」というAIプログラムとの相性が良いことが分かっています。SIMAは3D空間内のキャラクターを自動で操作するAIで「青いドアを開けて」といった人間の指示を理解し、指示通りの行動を取れます。Genie 2で作ったさまざまな環境でSIMAを動かすことで、より賢く人間の指示に従えるAIの開発が進められるのです。 

Genie 2の今後の展望

Genie 2の登場は、3D空間を使ったさまざまな分野に新しい可能性をもたらします。 

短期的な変化としては、ゲーム開発の現場が大きく変わるでしょう。開発者はアイデアを素早く形にして試すことができ、ゲーム作りの効率が格段に上がります。また、AIの研究者たちは、より多様な環境でAIの訓練を行えるようになり、AIの研究も加速することが予想されます。 

長期的には、仮想空間「メタバース」の開発にも活用できると期待されています。例えば、実際の街並みの写真から、すぐに探索できる3D空間を作り出すことも可能になるかもしれません。 

現時点ではまだ研究段階であるGenie 2ですが、これからさらに進化すると、上記のような世界が実現するでしょう。個人的には「今後の世界を根本から換えるような、革新的な技術が出来たんだな…」と感じています。 

Genie 2の今後に注目です。 

まとめ

本日の内容は、Google DeepMindが開発したGenie 2について解説しました。1枚の画像から3D仮想世界を生成し、リアルタイムな物理シミュレーションを実現する革新的な技術は、ゲーム開発、教育、AI研究など幅広い分野に新たな可能性をもたらすでしょう。 

今後の技術発展とさまざまな分野での活用に、ぜひ注目してみてください。 

AIメディアライター植田遊馬

Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。

生成AIによる専門文書の精密な翻訳ソリューション

T-4OOは、LLM (大規模言語モデル) を用いた画期的な翻訳アルゴリズムにより、従来のNMTモデルとの比較で文脈や語調・書き振りをより自然に反映しながら、専門用語や参考文献に基づいた高い翻訳精度を実現。

細分化された2000の分野に対応し、ビジネス・研究開発の専門文書の翻訳など、様々なシーンで活用されてます。

「T-4OO」の機能と特徴

  • 専門2000分野・100言語をカバー
  • スキャン画像PDFも丸ごと翻訳
  • 社内・業界フレーズを自動学習
  • Web上でラクラク訳文編集
  • その場で解決 電話でサポート

単に文字を翻訳するだけでいいというわけではありません。
T-4OOは、業務フローにこだわった多彩な便利機能で業務効率化を強力にサポートします。

T-4OOの詳細を確認す

  • Share
一覧へ