
OpenAIが2025年1月、ChatGPTに新機能「ChatGPTタスク(Scheduled Tasks)」をベータ版として公開しました。AIが時間の概念を理解し、ユーザーが指定した時間にリマインダーを行ったり、設定されたタスクを実行する機能です。
一見すると、いわゆる“タスク管理機能“なのですが、単なるリマインダー機能ではなく「革新的なAIエージェント機能」として大きな注目を集めています。
本記事では、ChatGPTタスクの概要や注目されている理由、使い方などを解説します。ぜひ本記事を最後までごらんください。
ChatGPTタスク(Scheduled Tasks)とは
ChatGPTタスク機能は、ChatGPTに「時間の概念」を組み込んだ新しい機能です。ユーザーが指定した時間に、自動的にタスクを実行し、結果を通知してくれます。
利用できるのは、ChatGPT Plus、Team、Proなどの有料プランに加入しているユーザーのみです。無料プランでは利用できません。
主な特徴として以下の4点が挙げられます。
- リマインダー機能:指定した時間に通知を受け取れる
- プロンプトのスケジュール実行:特定の時間にChatGPTに指示を出せる
- 定期タスク対応:毎日、毎週、毎月といった定期的なタスクを設定できる
- 通知機能:メールやアプリを通じて実行結果を受け取ることが可能
具体例としては「毎朝8時に、その日の天気予報と気温、おすすめの服装を教えてください」という指示ができたり、「毎週月曜の朝9時に、先週の業界ニュースをまとめてレポートしてください」という指示ができたり、秘書の代わりとして活用できます。
従来のタスク管理アプリとの違い
ChatGPTタスクは、従来のタスク管理アプリと比べて3つの大きな違いがあります。
1つ目の違いは、自然言語(対話形式)での柔軟なタスク設定が可能なことです。従来のタスク管理アプリでは、日時や繰り返しパターンを細かく設定する必要がありました。一方、ChatGPTタスクでは「毎週月曜の朝に、先週分の経費をまとめて報告して」といった自然な言い方で指示できます。
2つ目の違いは、タスクの実行までを一貫して行える点です。従来のアプリは時間になると通知を出すだけでしたが、ChatGPTタスクは指定した時間に「指示しておいたタスク」を自動的に実行します。例えば「毎朝8時に、重要なニュースを3つピックアップして要約して」と指示すれば、単なるリマインダー(通知)ではなく、実際にニュースの要約までを提供してくれます。
3つ目の違いですが、AIならではの状況理解と提案が可能です。例えば「明日の天気予報を教えて」というタスクでは、天気だけでなく気温に応じた服装のアドバイスなど、付加価値のある情報を提供してくれます。従来のアプリでは実現できなかった、知的なアシスタント機能を備えているのです。
これらの特徴により、ChatGPTタスクは単なるリマインダーツールを超えた「新しいタイプのタスク管理サービス」といえます。
ChatGPTタスクが注目されている理由
ChatGPTタスク機能が注目を集めている最大の理由は「時間の概念を理解しているAIエージェント」という点です。AIエージェントとは、ユーザーに代わって自律的にタスクをこなし、必要な情報を収集・分析して判断し、行動まで行う人工知能のことです。
従来のAIエージェントは、ユーザーからの指示を受けてすぐに実行する「リアクティブ」な存在でした。秘書に例えると「このファイルを整理して」と指示すると即座に作業を始めるような形です。
一方、ChatGPTタスクは「明日の朝9時にニュースをまとめて」といった時間的な要素を含む指示を理解し、実行できます。現在OpenAIが開発中しているAIエージェント「Operator(オペレーター)」と組み合わせることで「さらに高度な自律的タスクの実行が可能になるのでは?」という期待もされています。
ChatGPTタスクの使い方・設定方法
ChatGPTタスクの設定は簡単です。以下の手順を参考に設定してみてください(ChatGPTタスクは、現在有料プランでしか使えません)。
ChatGPTにログインしたあと、画面左上のモデル選択から「スケジュールされたタスクがあるGPT-4o」を選択します。

モデルの選択が終わったら、対話形式で指示をするだけです。試しに以下のプロンプトを入力してみました。
プロンプト:「毎日朝9時に、東京都の天気予報と適切な服装を教えて下さい。」
回答は以下のとおりです。

これでタスクの設定は完了です。従来のタスク管理アプリであれば、このような指示はもちろんできませんし、できたとしても細かい設定をしなければなりません(時間や通知方法、繰り返し設定など)。自然言語で設定できる点も、本当に便利と感じました。
また、タスクの設定は編集することも可能です。
タスク部分をクリック、または右にある「︙」をクリックすると、タスクの編集画面が表示されます。

タスク名や指示内容、スケジュールの変更などが可能です。ただし、2025年1月時点では、ベータ版だからなのか、ポップアップからの編集が有効化されていないケースもありました。チャット欄から自然言語で編集指示をすれば、自動的に変更してくれるので、チャット欄から指示をしましょう。
また、日本語でプロンプトを入力しても英語で回答されることが多々あります。その際も、チャット欄から「日本語でリマインダーしてください」などと指示しましょう。
ちなみに、作成したタスクは右上のプロフィールアイコンから「タスク」を選択して確認できます。


タスク管理画面では、タスクの編集や一時停止、削除が可能です。不要になったタスクなどはここの画面から削除しましょう。
ChatGPTタスクの活用例
ここではChatGPTタスクの活用例を紹介します。
情報収集の自動化
ChatGPTタスクを活用して「情報収集の自動化」ができます。毎日の情報収集を効率化したい方におすすめの活用方法です。
例えば「毎朝8時に、AI業界の最新ニュースを3つピックアップして要約してください」「毎朝10時に、株価情報をまとめてください」などと設定することで、業界動向を効率的にキャッチアップできます。
学習・自己啓発支援
ChatGPTタスクを活用すると、継続的な学習や自己啓発をサポートする使い方ができます。
例えば「毎日19時に、英単語10個とその例文を教えてください」という設定や、「毎朝6時に、今日の目標と励ましのメッセージを送ってください」といった活用が可能です。
ChatGPTの対話型AIとしての特徴を活かし、単なるリマインダーではなく、双方向のコミュニケーションを通じて学習をサポートするツールとして機能します。
ビジネス活用
ChatGPTタスクは、業務効率化やタスク管理に活用できます。
例えば「毎週月曜朝9時に、10時から開催されるZoom定例会議の通知をしてください」などという通知設定が可能です。定期的に開催されるタスクは、通知設定をしておくとよいでしょう。
まとめ
本記事では、ChatGPTの新機能「ChatGPTタスク」について解説しました。ChatGPTタスクは、時間の概念を理解し、自動的にタスクを実行できるAIエージェントとして画期的な機能です。
情報収集の自動化や学習支援、業務効率化など、さまざまな場面での活用が期待できます。有料プランをご利用の方は、ぜひ実際に試してみてください。

AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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