2024年12月12日「12 Days of OpenAI」のDay5にて、OpenAIとAppleが画期的な提携を発表しました。iOS 18.2のアップデートにより、iPhoneやiPad、Macなど、Appleデバイスから直接ChatGPTを利用できるようになります。
従来は専用アプリを開く必要がありましたが、新機能によりSiriを介して瞬時にChatGPTにアクセス可能に。カメラ機能との連携も実現し、AIアシスタントの利用体験が大きく進化します。
「12 Days of OpenAI」とは
OpenAIは2024年12月から、12営業日連続で新機能や新製品を発表する「12 Days of OpenAI」を開催しています。クリスマスソング「12 Days of Christmas」にちなんで名付けられた企画で、CEOのサム・アルトマン氏自らがライブ配信で新機能を紹介しています。
各日の主な発表内容
- Day1:最新モデル「o1」正式リリースとChatGPT Pro(月額200ドル)発表
- Day2:強化学習型ファインチューニング機能の実装
- Day3:動画生成AI「Sora」の正式リリース
- Day4:Canvas機能の全ユーザー開放と機能強化
- Day5:Apple製品との完全統合を発表。iPhoneやMac、iPadでSiriを通じてChatGPTを利用可能に
Appleデバイスで何ができるようになるの?
Siriを通じてChatGPTが利用可能に
iOS 18.2では、SiriがChatGPTと連携し、より高度な質問や要求に応えられるようになります。ユーザーが、Siriの範囲を超えた複雑な質問をしたとき、Siriが「ChatGPTに聞いてみましょうか?」と提案。承認すると、質問内容が自動的にChatGPTに転送され、詳細な回答を得られます。
プライバシーにも配慮があり、情報共有の前には必ずユーザーの許可を求める仕様なので安心です。ChatGPTアカウントがなくても利用できますが、アカウントを連携することで会話履歴の保存など、より充実した機能を活用できます。
Visual Intelligence機能でカメラと連携
iPhone 16シリーズでは、カメラ機能とChatGPTが連携します。カメラコントロールボタンを長押しすると「Visual Intelligence」モードが起動。撮影した対象物について、ChatGPTに直接質問できます。
例えば、観光地で見かけた建造物にカメラを向けて建物の名前や歴史を調べたり、料理を撮影し材料を特定したりといった活用が可能です。また、撮影した文書の翻訳や要約もその場で実行できるため、外国語メニューの翻訳や、長文資料の要点整理など、ビジネスシーンでも活躍が期待されます。
ただしVisual Intelligence機能は、iPhone 16シリーズに搭載された新しいカメラコントロールボタンを活用する機能があるため、一部の機能はiPhone 16シリーズに限定される可能性があります。iPhone 16シリーズ以前のモデルをお持ちの方は、詳細な発表を待ちましょう。
文書作成ツールの進化
MacやiPadでは、文書作成ツールがChatGPTと統合され、より効率的な執筆作業が可能になります。49ページのPDFを一度の指示で要約できるなど、いままでよりもシームレスにChatGPTを活用できるようになったのです。
わざわざChatGPTアプリを立ち上げる手間が削減され、作業効率が大幅に向上するでしょう。
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具体的な利用シーン
引用元:OpenAI社公式YouTube(https://www.youtube.com/@OpenAI)
OpenAIの公式YouTube動画の発表では、クリスマスパーティーの企画立案を例に機能が紹介されました。Siriに「クリスマスパーティーを企画して」と話しかけると、ChatGPTがゲストリストや音楽プレイリストを提案。プレイリストには定番のマライア・キャリーの楽曲も含まれており、AIの状況理解力の高さが示されました。
また、クリスマスセーターコンテストのデモでは、参加者のセーターをカメラで撮影し、ChatGPTが「最も楽しい」セーターを選定。勝者には自動生成されたトロフィー画像がプレゼントされるなど、エンターテインメント性の高い活用例も披露されました。
ビジネス向けのデモでは、MacでPDFファイルを解析し、内容の要約やグラフ作成を実演。長文資料の理解を深めるためのビジュアライゼーション機能(データをグラフや図表にして見やすく表示する機能のこと)の実用性が示されました。
筆者も公式YouTube動画を見ましたが、シームレスにAIが会話を理解し、“カメラという目”で状況も把握できる。ここまで来ると「優秀なアシスタント」を常に引き連れて生活しているみたいですね…。本当にすごい進化です。
まとめ
「12 Days of OpenAI」のDay5では、AppleとOpenAIの提携に関する発表がされました。Siriを通じたシームレスなChatGPTの利用、カメラ機能との連携、文書作成ツールの強化など、日常生活からビジネスまで幅広い場面で活用できる機能です。また、プライバシーへの配慮も十分で、情報共有は常にユーザーの管理下に置かれます。
今回の発表は、“AIテクノロジーが日常生活で当たり前に活用される時代“の始まりを象徴する、重要な一歩となった気がします。Day6以降では「12 Days of OpenAI」でどのような発表がされるのか、非常に楽しみです。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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