2024年11月、OpenAIが「ChatGPT Search」をリリースしました。従来のChatGPTは特定期間の学習データまでしか対応できず「最新情報などの質問には答えられない」という特徴がありましたが、ChatGPT Searchの登場により、リアルタイムの情報を含めた回答が可能になったのです。
ChatGPT Searchの登場で、今まで以上に便利にChatGPTを利用できるでしょう。今回の記事では、ChatGPT Searchの概要や利用方法、具体的な活用法までを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ChatGPT Searchとは
ChatGPT SearchはOpenAIが開発した新しい検索機能で、GPT-4oの微調整版モデルを採用しています。ウェブ上の最新情報を検索・分析し、ユーザーの質問に対して整理された形で回答を提供可能です。
従来のChatGPTは学習済みデータの範囲内でしか回答できませんでしたが、ChatGPT Searchは天気予報や株価情報、最新ニュースなど、リアルタイムのデータにアクセスできます。また、情報源も明確に表示されるため、回答の信頼性を確認可能。Financial Times、Le Monde、Vox Mediaなど、多数の報道機関とも提携しており、質の高い情報を提供してくれます。
ChatGPT Searchを使えるユーザーは?
現在、ChatGPT Searchは以下のユーザーが利用できます
- ChatGPT Plusユーザー
- ChatGPT Teamユーザー
- SearchGPTウェイトリスト登録者
今後、数週間以内にEnterpriseユーザーとEduユーザー、数カ月以内に無料ユーザーにも提供される予定です(2024年11月時点)。つまり、段階的にすべてのChatGPTユーザーが利用できるようになる見込みです。
なお、ChatGPT Plusは月額20ドル、ChatGPT Teamは月額30ドルのサブスクリプションプランとなっています。無料ユーザーは提供開始まで待つ必要がありますが、提供開始後は一定の制限付きで利用できるようになるでしょう。
ちなみに、ChatGPT 4oよりも高度な推論が可能なChatGPT o1-previewでは、ChatGPT Searchを利用できませんので、注意してください。
ChatGPT Searchの利用方法
ChatGPT Searchの使用方法は非常にシンプルです。
ChatGPTにログインし、ホーム画面の検索バー下部に「地球」のようなマークがありますので、そこをクリックしましょう。
クリックをすると地球マークが青く光りますので、ChatGPT Searchが起動された状態となります。
ちなみに、地球マークをクリックしなくても、ChatGPTが必要と判断すれば勝手にウェブ検索をしてくれます。また、検索バーに「/(半角スラッシュ)」を入力することで、ウェブ検索や画像生成、o1-previewの利用を指定しながらプロンプトを入力可能です。
試しにChatGPT Searchで最新情報を検索してみましょう。下記のプロンプトを入力してみました。
プロンプト:
「明日の東京都の天気を教えてください」
回答結果は以下のとおりです。
複数の情報源を元に、しっかりと最新情報を教えてくれました。また、回答結果下部の「情報源」というボタンをクリックすると、右側にサイドバーが表示されて情報源を確認できます。
しっかりと情報源を参照できるので、情報の真偽を確認できます。いままでのChatGPTでは「ハルシネーション」という問題もありましたが、ChatGPT Searchの登場で、情報の信頼性が向上しました。
とても便利な機能なので、ChatGPTを利用している方はフル活用していきましょう。
ChatGPT Searchの活用法
ここでは、ChatGPT Searchの活用法を具体的に解説します。ぜひ参考にしてください。
最新情報の収集
前述しましたが、ChatGPT Searchはリアルタイムでウェブ検索を行うため、最新のニュースや情報収集に最適です。
天気だけでなく、株価情報を確認する場合などにも適しています。また、単純な数値だけでなく、株価変動の要因や市場動向まで含めた包括的な情報も入手できるため、検索エンジンで情報収集するよりも効率的です。
天気予報についても「明日の東京の天気」といった基本的な質問から「週末の関東地方の天気を地域ごとに比較して」といった複雑な要求まで対応できます。
ファクトチェック
ChatGPT Searchを利用すれば、ファクトチェック(事実確認)が容易です。筆者はプロのライターとして活動していますが、執筆物のファクトチェックは欠かせません。
従来であれば、ファクトチェックをするのにさまざまなウェブサイトを訪問し、文章を確認して…という工程をこなしていました。チェックした情報元が虚偽である可能性もあるため、複数の情報ソースを確認するなど、想像以上に大変な作業でした。
ChatGPT Searchがあれば、執筆した文章をコピペして「記述してある情報は本当ですか?または最新情報ですか?」と質問するだけです。本当にファクトチェックの手間が減って助かっています。
執筆した文章のファクトチェックをする機会が多い方は、ぜひ活用してみてください。
店舗・施設検索
飲食店や施設を探す際、通常の検索エンジンでは複数のサイトを見比べる必要がありますが、ChatGPT Searchは複数の情報源から最適な情報を抽出し、整理して提供してくれます。
例えば「渋谷で20時まで営業している子連れOKのカフェを探して」という検索では、営業時間やキッズメニューの有無、設備情報などを総合的に判断した結果を提示します。さらに、地図表示や電話番号、公式サイトへのリンクなども含まれるため、追加で検索する手間が省けるでしょう。
調査・研究作業の効率化
研究や業界動向の調査において、ChatGPT Searchは複数の情報源から信頼性の高い情報を収集し、要約して提供します。例えば「AI業界の最新トレンドについて」と質問すると、複数の業界メディアやリサーチ機関の情報を統合した回答が得られるのです。
また「調べた内容を箇条書きにまとめて」「表形式で整理して」といった指示を加えることで、情報を整理された形で受け取れます。情報源も明確に表示されるため、必要に応じて原文を確認することも容易です。
言語の壁を超えた情報収集
海外の情報を検索する際、ChatGPT Searchは自動的に翻訳して情報を提供します。例えば「パリのミシュラン星付きレストラン」について検索すると、フランス語のサイトも含めた情報を日本語で提供してくれるのです。
このように、ChatGPT Searchは単なる検索機能を超えて、情報の収集、整理、分析までをワンストップで提供する強力なツールといえるでしょう。
現在、Google Chrome向けに「ChatGPT Search」拡張機能がリリースされています。拡張機能では、ブラウザのアドレスバーから直接ChatGPT Searchを利用可能です。設定することで、通常のGoogle検索の代わりにChatGPT Searchが使用可能になるため「ChatGPTを起動する」という手間を省けます。
ただ、筆者も一度インストールして使ってみましたが、使いにくかったので削除しました。検索のたびにChatGPTが起動するため、通常の検索作業効率が著しく低下してしまうためです。
一度インストールしてみて、使いやすいと感じた方はぜひ活用してみてください。
まとめ
今回の記事では、ChatGPT Searchについての機能や活用法を解説しました。リアルタイムの情報収集や、自然な会話形式での検索が可能になり、情報収集が飛躍的に効率的になります。ぜひ利用してみてください。
ちなみに、AI検索エンジンと呼ばれるサービスは他にもあります。それぞれ特徴があるので、ぜひ以下の記事をご覧ください。
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AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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