「With COVID-19」により変わりつつあるワークスタイル。しかし、ビジネスパーソンに求められる「生産性と効率性」は不変だ。求められるのは、新しい日常への適応と進化。
ほぼ毎日のように行われる会議の効率的な進め方と、生産性を高めるためのツールについて株式会社ロゼッタの鷲頭氏にインタビューを行った。
株式会社ロゼッタ・MT事業部・鷲頭 均
株式会社ロゼッタにて法人営業統括を務める。医薬品業界や大企業向けに、AI翻訳ソリューション「T-4OO」や会議音声翻訳ツール「オンヤク」の提案を行う。顧客企業のグローバル化や技術開発を支援すべく、最速・最適・最短の提案を重視。全社導入案件の増加に伴い、顧客の事業成長への貢献を使命としている。
「言語フリー」の交流を目指すロゼッタ
ーー まずは、ロゼッタという会社について、簡単に説明をお願いします。
はい、株式会社ロゼッタは自社でシステムを開発し、運用しているIT系の企業です。しかし、ただのIT起業家と言うと少し特殊でして、グループ会社には翻訳会社を持ち、国内外合わせて約8万人の翻訳者、通訳者がいます。簡単に言うと、「グローバルなナレッジシェアをサポートしている会社」ということができるかと思います。
また、弊社には外国籍の社員も数多く在籍しており、その背景から世界中の人々が言語フリーで交流できる「グローバル・ユビキタス」の実現も、ビジョンのひとつとして持っております。
ーー 言語フリーですか、とても魅力的ですね。実際、会議中のコミュニケーションは、どのようにされているのですか?
社内の会議では自社開発の言語フリー会議システムを使用しています。弊社の会議では、思考力の低下を防ぐため、母国語以外の言語は使用禁止です。私が日本語を話すと、中国籍の方には中国語、欧米圏の方には英語と、あらかじめ登録しておいた母国語が表示されるため、会話に集中できます。
ーー 会議の効率が上がり、外国語への変換を考えるストレスが減るのは理想的ですね。他の導入事例も知りたいです。
ジョイントベンチャーなどの建設現場に導入した実例があります。ヘルメットに機械を装着し、話す内容を翻訳したり、手元の資料の翻訳結果をツールに表示させたりしました。使用したのは、T-400というAIを使った専門性の高い翻訳ツールです。
ーー リアルタイムでの翻訳が求められる現場での利用ということですから、翻訳精度の高さを窺い知ることができますね。
ありがとうございます。
コロナ禍を経て、会議の課題がさらに深刻に!?
ーー コロナ禍を経た今、現場の声に何らかの変化は感じますか。
「リモートワークが中心となり、オンラインミーティングが増えた」「海外との打ち合わせが容易になった」といった話はよく聞きます。しかし、どれほど環境が変化しても、ビジネスパーソンにとって生産性と成果を上げることの重要性は変わりません。
先日、会議に関するアンケートを取ってみたのですが、かなり興味深い結果が得られました。
ーー どのような結果だったのでしょうか。ぜひお教えください。
まず、会議の頻度はほぼ毎日、オンライン会議は100%に近い割合との結果でした。そのなかで外国語を話す方が会議に出席する回数は、最も多いケースで月に1、2回。そのほか、週に1回、会議ごとに海外の方が参加されるといった回答がありました。
ーー つまり、オンライン会議は、すでに一般化している、ということなのですね。コロナ禍前と比べると、会議の目的そのものも変化していますか。
いえ、会議の主な目的は、「議論し結論を出すこと」「情報共有し、全員のコンセンサスを得る」の2点で、この部分は、特に変化がありません。
ただ、会議の課題に関して言えばより明確かつ深刻になっていると思います。主な課題として「議事録担当者や通訳者を含む日程調整が困難」「会議中のメモ、途中参加者へのナレッジシェアなど、議論以外にやるべきことが多く集中できない」「会議収録後に、議事録を整理する時間が発生する」等が挙げられました。
ーー 国内の会議でも大変ということは、海外拠点が増えれば、通訳や翻訳された議事録など会議の準備にさらに時間やコストがかかってしまうイメージがありますが、その点はいかがでしょうか。
おっしゃる通りです、先ほど申し上げたように、会議で外国語を話す場合母国語を話す場合に比べ思考力が落ちるといったデータもあります。これは大変非効率的なので改善していくべき点です。
では、どのようにして改善していくのがよいのか。例えば、よく言われている「社員が英会話スクールに通い、語学力を高める方法」。この方法は、個人スキルの向上が目的であれば決して悪くはありません。しかし、今回のゴールは、「会議の効率化」ですので、そう考えるとあまりにも非効率な方法と言わざるを得ません。
ーー 確かにそうですね。加えて、会議終了後、録画を見直してメモを取り直す行動も時間の無駄と言えると思いますがいかがでしょうか。
その通りです。日本語であろうと他の言語であろうと、会議の後には議事録が作成されるものでこの工程は省略できません。省略できないのであれば、せめて効率的にこなす必要があります。そこで、弊社では音声翻訳ツールを上手に使い、課題を解決する方法が最善だと考えています。
音声翻訳ツールが非効率な会議環境を大きく改善
ーー 音声翻訳ツールについて、詳しく教えてください。まずは、利用シーンのイメージからお願いいたします。
1対1、複数人、海外拠点とのリモート会議、複数メンバーの集合型会議など、弊社の会話履歴翻訳ツール「オンヤク」の使用シーンは多岐に渡ります。現在の導入企業は、外資系のコンサルティング会社、メーカー、商社の方々など、約1000社です。
ーー かなり多くの企業が導入されているのですね。それらの企業ではどのような使われ方が多いのでしょうか。
基本的には、語学力に不安がある場合に会話内容の把握のための補助的な役割として、また、通訳者の代わりとして使うケースがあります。最近では、聴覚障害のある方との筆談の目的で使用されているという話も聞いています。
ーー なるほど、段々とイメージが浮かんできました。では、次に具体的な使い方を知りたいです。
パソコンで使う場合は、大きく「参加者全員が使う方法」「議事録担当者だけが使う方法」の2種類に分かれます。全員の場合、会話はすべてチャット形式で表示されます。何時何分に誰が何をしゃべったのか、ログ、いわゆる会話・発言の履歴を自動で残すことができます。
また、議事録担当者だけが使う場合も、基本は同じです。ただ、大きく違うのは、発言者(誰が)の部分が記録されないことです。時間と内容は記録されますし、発言中には、画面上に話している内容の翻訳結果を出すことができます
ーー ということは、ログを会議終了後にダウンロードすれば、議事録用にあとで整理し直す必要もありませんね。これは大幅な効率化につながります。ちなみに、「オンヤク」はゲスト、社外の方も音声翻訳ツールを使用できるんでしょうか
議事録作成に関しては、会議の録画を見返して都度巻き戻しながら書き起こして、ということが不要になるのでおっしゃる通りだいぶ効率化されるはずです。
また、社外の方の利用に関してですが、「オンヤク」ホストの方が招待メールを送ることでゲストも使用できます。チャット形式での表示やゲストの方の発言のログのダウンロードも可能です。
ーー ゲストも使用できるとなると、取引先との商談にも使えますね。では、次に会議中の操作などについてですが、ルームの中でPowerPointなどの資料共有はできるのでしょうか。
こちらもよくいただくご質問なのですが、「オンヤク」は音声を認識し翻訳するツールであり、「Web会議ツール」ではないのでルーム内での資料の共有はできません。Zoomやteamsなど、普段利用されているシステムを立ち上げて、オンヤクを横に置いておくようなイメージで考えてもらえればいいのかなと思っております。
ーー なるほど、目的ごとに使い分けるイメージですね。また、先ほどご紹介いただいた会話履歴についてさらにご質問なのですが、この履歴のサマリーを残す機能はあるのでしょうか。
現在「オンヤク」ではβ版ではございますが、生成AIによる議事録作成機能を用意しています。会議中に記録された会話履歴を元に、自動で議事録を作成してくれるようなイメージです。こちらはWordファイルで自動生成したあとはダウンロードも可能なので、より議事録作成の作業を効率化できるかと思います。
ーー それはとても便利ですね。ログから議事録の形に整える作業も省略できるとなると、会議後の作業はグッと楽になりそうです。ちなみに「オンヤク」はモバイル端末でも使用はできるんでしょうか。また、ゲストが複数となると話す言語も多様になりそうですが、複数言語の同時翻訳も可能なのでしょうか?
はい、Apple StoreまたはGoogle Playにてアプリを入手し、専用IDとパスワードを入力すれば、モバイル端末でも使用できます。パソコンと同じく、チャット形式での表示やログの保存も可能です。パソコンからにはなりますが、Excelまたはファイル形式でのダウンロードもいただけます。
また、複数言語の同時翻訳についてももちろん可能です。パソコン版、モバイル版共に、翻訳後の言語をゲストの方ごとに指定いただけますので、それぞれの方は普段話されている言語で会議を進めることができます。
ーー まさに「言語フリー」と言った感じですね!では、複数言語にも対応しているこの「オンヤク」なのですが、翻訳に使用しているエンジンも気になります。これはロゼッタで提供されているAI自動翻訳「T-4OO」のエンジンを使用されているのでしょうか?
いえ、「オンヤク」に用いているエンジンは「T-4OO」とは異なるものです。というのも「T-4OO」は、文章の翻訳を目的に作っているエンジンであるのに対して、「オンヤク」が担当するのは我々が話す言語「口語」です。「T-4OO」も大変精度の高い翻訳ツールですが文語・口語にはそれぞれ適したエンジンがあるので、「オンヤク」には口語に適したエンジンを用いる必要があります。
グループ会社のシグナンスでは、文章翻訳ではなく口語翻訳のエンジンを作っておりオンヤクにはそちらを用いています。両者には若干違いはあるものの、常に最善のエンジンを搭載しるとお考えください。
ーー 「オンヤク」の機能やエンジンについて詳しくありがとうございました。ここまで伺っていますと、便利で使い勝手が良い印象ですが、想定される懸念点についてもお聞きしたいです。まず、音声はどれくらい正確に拾えるものなのでしょうか。
音声認識率自体、昔に比べるとかなり向上しています。マイクを設定したり、骨伝導ヘッドフォンなどを使ったりすると、よりきちんと音が拾えるかと思います。社内用語やよく使う同音異義語などは、あらかじめデータ登録しておくことで、さらに音声認識力が上がるため、おすすめです。また、すでにお持ちの用語集などがあればカスタマイズして、音声翻訳で利用することもできますよ。
ーー 事前準備をしっかりと行うことが大事なのですね。あとは、やはり会議というと機密情報が含まれた会話ということも想定されますのでセキュリティ面が気になりますが、こちらについてはいかがでしょうか。
ありがとうございます。セキュリティ面のご質問はお客様からも多くいただきますので、ご説明いたしますね。弊社の「オンヤク」は、自社でエンジンを作っており、セキュリティも強化した形で提供しています。データの蓄積や二次利用もありませんので、会議の環境で安心して使っていただけるかと思います。
最近は、ログインの段階から、「Microsoft Entra ID」を使用する方法もあります。認証の際にメールアドレス、パスワードを入力するイメージで、より強固なセキュリティ環境でお使いいただけます。
ーー なるほど、万全の対策が取られているということがわかりました。会議中の発言に関しては事前に調整ができないことも多いかと思いますので、セキュリティがしっかりしているということは安心材料になりそうですね
音声翻訳の未来
ーー 今日はとても興味深いお話が聞けました。最後に、これからの音声翻訳について聞かせてください。
自動翻訳の世界では、2018年ごろから文章翻訳の精度が上がり、2021年ごろからは口語翻訳の精度が上がってきました。そして、現在のトレンドは、グローバルな会議の増加です。既存の「音声認識」と、弊社が特に強みとする「自動翻訳精度」は、これからの時代、マストと言えます。
自動翻訳に関しても、データを入れてカスタマイズすることで、翻訳精度はさらに高まります。これから新たに音声翻訳ツールを選ぶ場合は、カスタマイズ性も選択のポイントにしてもらえれば良いのかなと。
ーー カスタマイズ性、なるほど。企業によって話される内容は異なりますから、大切な観点ですね。
はい。ロゼッタは、自動翻訳の歴史がある企業です。これまで培った知見を生かして、音声翻訳ツールに反映しており、カスタマイズ性にも自信があります。興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。
議事録&翻訳AIツール「オンヤク」
「オンヤク」は、Teams、Zoomその他のWeb会議システム、オフライン会議や動画にも対応した
リアルタイム音声翻訳・文字起こしツール。100言語以上がご利用いただけます。
外国語会議を理解する最短ルートで対応、国際会議もリモート会議も手間無く対応するならオンヤク。
「オンヤク」の機能と特徴
- 専門分野選択ができる
- 社内用語などの対応語句登録機能
- 会話内容のテキスト化&翻訳を同時リアルタイム処理
- デバイスフリーでPCもスマホからでも利用可能
まだ手書きで対応しているんですか?オンヤクを使うだけで会議はうまくいきます。
リアルタイムで文字起こし&テキスト翻訳ができるオンヤクならへお気軽にご相談ください。