【異例の呼びかけ】声優26名が「NOMORE無断生成AI」と異議を唱える

技術の進歩により、AIで声優の声を再現することが可能になりました。しかし、無断で声を使用されるケースが増加し、2024年1月だけで500件もの被害が報告されています。 

山寺宏一さんをはじめとする26名の声優が「NOMORE無断生成AI」有志の会を結成し、適切なルール作りを呼びかけています。本記事では、声優たちの主張や問題の本質、今後の展望について解説します。 

「NOMORE無断生成AI」の背景

生成AI技術の発展により、有名声優の声を高精度に再現することが可能になりました。2023年頃から、AIボイスチェンジャー技術が一般に普及し始め、声優の声を無断でAIに学習させ、別の楽曲を歌わせたり、朗読をさせたりする動画が増加しています。 

有志の会は「無断生成AI」を、実演家や著作権者の許可なくAI学習に使用され、生成・公開された音声と定義。現行法では情報解析のための学習は著作権法の範囲外とされていますが、追加学習については議論が分かれている状況です。 

参加声優のメッセージ

山寺宏一さんは、個人での楽しみとしての使用は理解を示しつつ、商業利用やSNSでの公開については強く反対する立場を表明しました。 

関俊彦さんは、声優の音声のみの利用については著作権法違反で訴えられない現状を指摘。AIとの共存の道を探る必要性を訴えています。 

中尾隆聖さんは、声優の声は単なる音声ではなく、個性や職業的スキル、長年の努力の成果が反映された財産であると主張しています。 

業界団体の動き

日本俳優連合と日本音声製作者連盟が筆頭賛同団体として参画しています。有志の会は、SNSアイコン用のロゴを公開し、X（旧Twitter）、TikTok、YouTubeで継続的な情報発信を行う予定です。 

各団体は、声優の権利を守りながら、新技術との共存を目指した建設的な議論を呼びかけています。 

世間の反響と今後の展望

「NOMORE無断生成AI」の活動を紹介する予告編動画は、2024年10月15日の公開から24時間以内に数万回の再生を記録し、大きな反響を呼んでいます。動画内では、中尾隆聖さんの「私の声が勝手に売られていたんです。驚きました。私たちの声は商売道具で、人生そのものです。」というメッセージから始まり、26名の声優が「NOMORE無断生成AI」と呼びかける内容となっています。 

10月21日には本編第1弾、10月30日には本編第2弾も公開され、声優の権利保護を求める声が多く寄せられる一方、技術の発展との両立を模索する意見も見られます。 

有志の会は、技術の進歩がもたらす恩恵を認めつつ、文化的な観点からのルール作りを目指しています。今後は有識者も交えた議論を展開し、具体的な指針の策定を進める方針です。 

まとめ

今回の記事では「NOMORE無断生成AI」の活動について、背景から今後の展望まで解説しました。 

声優たちは、技術の発展を否定するのではなく、適切なルール作りを通じた共存を目指しています。新技術と権利保護の両立は、今後のエンターテインメント業界全体にとって重要な課題となるでしょう。 

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