情報過多な現代では、必要な情報を効率的に収集することは容易ではありません。Web検索やSNSなど、さまざまな情報源から必要な情報を集めて整理するには、多くの時間がかかります。しかし近年ではAIの成長が目まぐるしく、PerplexityやGenSparkなどの、情報収集を効率化させるAI検索エンジンが話題となっています。
そのような中で2024年7月、国内発のAI検索エンジン「Felo」が登場。競合他社とは全く異なった性能も持っており、注目されています。
今回の記事では、Felo の特徴や機能、料金や使い方などを解説します。記事を最後までご覧頂くことで、日々の情報収集やビジネスでの作業効率が飛躍的に向上すると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
Feloとは
Feloは、2024年7月にSparticle株式会社がリリースした日本発のAI検索エンジンです。リリースから1カ月で世界15万人以上のユーザーを獲得し、急速に注目を集めています。
AI検索エンジンとは、従来の検索エンジンとは異なり、ユーザーの自然言語での質問に対して、AIが理解したうえで最適な回答を提供するツールです。例えば「日本の少子化対策について教えて」と質問すると、複数の情報源から関連データを収集し、整理された形で回答を提供してくれます。一般的な検索エンジンのように、関連するWebサイトの一覧を表示するだけではありません。
Felo は、GPT-4やClaude 3.5などの最新AI技術を活用し、Web上の膨大な情報を収集・分析して提供します。多言語対応や論文検索、SNS分析など幅広い機能を備え、ビジネスや研究開発での活用も期待されています。
競合他社との違い
AI検索エンジン市場では、PerplexityやGenSparkが先行して高いシェアを獲得しています。FeloはAI検索の基本機能では競合と同等の性能を持ちながら、以下の独自の特徴を備えています。
1. マインドマップ・スライド生成機能
他のAI検索エンジンは、テキストベースの回答のみを提供しますが、Feloは情報を視覚的に整理し、会議資料として出力可能です。これにより、情報の理解や共有がより簡単になります。
2. 日本語の最適化
Feloは日本語に特化した最適化が施されています。インターフェースが最初から日本語で表示されるため、英語が苦手なユーザーでも直感的に操作できます。また、日本語での検索精度が高く、日本特有の表現や文脈も適切に理解して回答を生成します。
3. SNS分析の強化
FeloはSNSからの情報収集も実施します。X(旧Twitter)などのSNSプラットフォームから、最新の話題や生の声を効率的に収集できるため、市場動向や消費者トレンドの分析、商品の評判調査などに活用できる独自の強みといえるでしょう。
なお、PerplexityやGenSparkの詳細な機能や特徴については、下記の記事でご紹介していますので、あわせてご覧ください。
Feloの特徴
AIで情報収集を効率化できる
従来の検索エンジンでは、複数のキーワードを組み合わせて何度も検索する必要がありました。例えば「京都で旅行をしたい」と思った際、“京都 旅行 おすすめ”などと検索する人は多いと思います。検索結果から閲覧する記事を選び、良質な記事ではなかった場合はブラウザバックする必要があるなど、多くの工数が発生していました。
一方でFeloは、自然言語による質問文を理解し、関連する情報を自動的に収集・整理して提供してくれます。「京都に2泊3日で旅行に行きたいのだけど、旅行プラン考えてくれない?」などと質問すると、旅行プランなども組んでくれます。
多言語に対応している
Feloは英語や中国語など、外国語で書かれた情報も学習しているため、海外の最新研究や市場動向も、言語の壁を気にすることなく収集可能です。
翻訳の精度も高く、ニュアンスを正確に理解できるため、グローバルな情報収集に最適といえるでしょう。
ニーズに合った検索を行える(フォーカス機能)
Feloは目的に応じて8種類の検索モードを使い分けられます。論文検索モードでは学術情報に特化し、SNS検索モードではSNS上の声を収集します。
また、ドキュメント検索では特定のファイル形式に絞った検索が可能です。用途に応じた最適な情報収集が可能になります。
パワーポイントのスライドを自動生成できる
Feloは、検索結果を元に、プレゼンテーション資料を自動生成します。200種類以上のテンプレートから選択でき、10秒程度で10枚以上のスライドが完成するのです。
内容の構成や視覚的な表現も洗練されており、資料作成の工数を大幅に削減できます。
検索結果をマインドマップで出力できる
Feloは、複雑な情報を構造化して視覚的に表現するマインドマップを自動生成します。情報の関連性や全体像を直感的に把握でき、理解を深めることができるのです。
マインドマップはPNG形式で保存可能で、他の資料への活用も簡単。さまざまな場面で有効活用ができます。
Feloの料金
Feloは2つの料金プランが用意されています。
スタンダードプラン(無料)
- 基本的な検索機能が無制限で利用可能
- プロフェッショナル検索が1日5回まで利用可能
プロフェッショナルプラン(月額2,099円)
- 1日300回のプロフェッショナル検索が可能
- GPT-4やClaude 3.5など高性能AIモデルを使用可能
- 高度な分析・深掘り機能を利用可能
Feloの利用方法
Feloの利用方法は簡単です。
Feloの公式サイト(https://felo.ai/)にアクセスし「ログイン/登録」をクリック。Googleアカウントまたはメールアドレスでサインアップすると利用が可能になります。
基本的な使い方
Feloの利用方法も簡単で、検索バーに質問や知りたい内容を入力するだけです。
試しに下記プロンプトを入力してみます。
プロンプト
「現在の世界人口は何人ですか?」
回答結果は以下のとおりです。
検索結果には情報元をしっかりと明記してくれるため、情報の信頼性もすぐに確認できます。
また、Feloは検索範囲を絞った質問(フォーカス機能)も可能です。検索窓の左下部分の「Web検索」をクリックすると、検索範囲を指定できます。
さらに、回答結果の右上にある「プレゼンテーションを生成」というボタンをクリックすれば、スライド資料を生成できますし、左下の「マインドマップ」というボタンをクリックすれば、マインドマップも生成できます。
日本発のサービスということで、日本人に馴染みのある直感的な操作感で、初めて使う際も操作しやすいです。無料で利用できるので、ぜひ使ってみてください。
Feloの活用法
情報収集
従来の情報収集では、複数の情報源を確認し、それぞれの内容を読み込んで整理する必要がありました。Feloを活用することで、日々の情報収集はもちろん、市場分析やトレンド調査、競合分析などの情報収集作業を効率化できます。
例えば市場分析では、業界の動向や競合他社の動き、消費者の声などをAIが自動で収集・分析し、整理された形で提供してくれます。SNSの分析機能を使えば、製品やサービスに対する生の声も簡単に集められるでしょう。
資料作成
Feloを利用することで、会議資料やプレゼンテーション資料の作成時間を大幅に短縮できます。
Feloの検索結果を元に、マインドマップで全体像を整理し、スライド自動生成機能で資料のベースを作成できるため、プレゼン時やブレインストーミングなどで役立つでしょう。
また、多言語対応により、海外の事例や統計データも含めた説得力のある資料も作成できます。
まとめ
今回の記事では国内発のAI検索エンジン「Felo」について、機能や特徴、料金プラン、活用方法まで詳しく解説しました。
Feloは情報収集の効率化だけでなく、マインドマップやプレゼン資料の自動生成など、業務効率を高める独自の機能を備えています。無料プランでも十分な機能が利用できるため、まずは基本的な機能を試してみることをおすすめします。
より高度な分析や資料作成が必要な場合は、プロフェッショナルプランへのアップグレードを検討してみてください。AIを活用した効率的な情報収集・資料作成で、業務の生産性向上を実現できるでしょう。
今回の記事でAI検索エンジンに興味を持った方は、下記の記事もご覧ください。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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