
AIによる画像生成技術の進歩は目覚ましく、その中でも注目を集めている画像生成AIのひとつとしてStable Diffusionが挙げられます。テキストを入力するだけで高品質な画像を生成できるStable Diffusionは、デザイナーや一般ユーザーの間で人気を集めています。
本記事の内容は、Stable Diffusionの特徴や使い方、利用時の注意点などを詳しく紹介いたします。AIによる画像生成に興味がある方は、ぜひ今回のコンテンツを最後までお読みください。
Stable Diffusionとは
Stable Diffusionは、イギリスのスタートアップ企業Stability AIが、開発した画像生成AIです。ユーザーが入力したテキストや画像データを基に、高品質な画像を生成できます。
Stable Diffusionの特徴は、高いクオリティ・高精度の画像を生成できることと、基本的に無料で使用できることです。
Stable Diffusionは無料で利用できる
Stable Diffusionはオープンソースとして公開されているため、PC版であれば誰でも無料で画像生成可能のため、さまざまな場面で運用できます。他の画像生成AIサービスの多くが有料であったり、利用回数に制限があったりするのに対し、Stable Diffusionは無料で制限なく利用できます。
また、生成した画像の著作権は基本的にユーザーに帰属するため、商用向けの利用も可能です。
Stable Diffusionでなにができる?
Text To Image
Stable Diffusionの主要機能のひとつが「Text To Image」です。ユーザーが入力したテキスト(プロンプト)を、AIが自動で画像を生成します。
例えば「夕暮れの海辺の風景」というプロンプトを入力すると、AIがそのイメージに合った画像を作成します。実際にStable Diffusionで生成してもらった画像は下記のとおりです。

プロンプト:
「A seaside scene at dusk. Just like a photograph.(夕暮れの海辺の風景。まるで写真のような)」

Image To Image
「Image To Image」機能は、既存の画像をもとに新しい画像を制作する機能です。ユーザーが用意した画像をAIに読み込ませ、テキストで指示を加えることで、元の画像をベースにした新しい画像を作成できます。
例えば、風景写真をアップロードし「雪景色に変換」というプロンプトを追加すると、雪に覆われた景色の画像が生成されます。また、画像の一部分だけを変更したり、似たような雰囲気の画像を生成したりすることも可能です。
Stable Diffusionの使い方
Stable Diffusionを使用するには、主に2つの方法があります。1つ目はWebブラウザ上で利用できるサービスを使う方法です。「mage.space」や「Hugging Face」、「Dream Studio」などのプラットフォームがあり、アカウント登録をすれば簡単に利用できます。
2つ目は、自分のPCにStable Diffusionをインストールして使用する方法です。「Stable Diffusion web UI」というツールを利用すると、より詳細な設定が可能になります。ただ、PCにインストールするよりもWebブラウザ版を利用するほうが簡単ですので、初心者の方は、まずWebブラウザ版から始めるのがおすすめです。
試しにHugging Faceを使って、Stable Diffusionを利用してみます。まずはHugging FaceにメールアドレスでSign up。その後、Hugging FaceのSpacesページで、Stable Diffusionを提供している企業の名称である「Stability AI」と検索しましょう。

Stable Diffusionがヒットするので、クリックします。遷移した画面ではプロンプトを入力する検索バーが表示されるため、プロンプトを入力して「Run」ボタンをクリックしましょう。10秒程度で画像を生成してくれます。

ちなみに、Stable Diffusionはプロンプトを日本語ではなく、英語で入力したほうが、高品質な画像が完成します。日本語で一度プロンプトを考えて、翻訳アプリなどで翻訳後、プロンプトを入力しましょう。
Stable Diffusionを使用する際の注意点
著作権に関する注意
Stable Diffusionで生成した画像を利用する際は、著作権に注意が必要です。基本的に生成された画像の著作権はユーザーに帰属しますが、一部のケースでは問題が生じる可能性があります。
例えば、商用利用が認められていない画像を、Image To Image機能で使用した場合、著作権侵害になる可能性があります。また、商用利用が認められていないモデルを追加学習させた場合も、法的問題が発生する可能性があるでしょう。
商用で活用したい際は、使用する画像やモデルのライセンスを必ず確認しましょう。
不適切な内容の生成に注意
Stable Diffusionは非常に高性能なAIですが、その課題を言えば、不適切な内容の画像を生成してしまう可能性もあるということです。暴力的な表現や過激な性的表現、差別的な内容などを含む画像の生成は避けるべきです。
また、実在の人物や商標、著作物を無断で使用するようなプロンプトも控えましょう。AIが生成した画像であっても、法的・倫理的な問題が生じる可能性があります。常に適切な利用を心がけ、生成された画像の内容を十分に確認してから使用するようにしてください。
まとめ
今回の記事ではStable Diffusionについて、概要や使い方、注意点などを解説しました。
Stable Diffusionは、オープンソースで提供されている画像生成AIのため、無料で利用できます。ぜひ一度、Stable Diffusionを試してみてください。

AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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