024年8月、中国発の動画生成AI『Vidu』が公開され、SNSなどで話題を集めています。一方、2024年2月に発表されたOpenAIの動画生成AI「Sora」は、まだリリースされていません。これにより、中国のAI企業が動画生成AIの分野で新たな波紋を広げた形になります。
本記事では、Viduの概要や料金、使い方を解説しながら、実際に使ってみた感想をお伝えします。Viduは無料で利用もできますので、記事を参考に動画生成を試してみてください。
もしもOpenAIのSoraについて詳しく知りたい方は、詳しく解説した記事がありますので、下記の記事をご覧ください。
Viduとは?
Viduは、中国の技術企業Shengshu Technologyと清華大学が共同開発した動画生成AIです。テキストや画像から高品質な動画を生成できる点が特徴で、最長16秒の1080P動画をワンクリックで作成可能です(2024年8月時点では4秒と8秒の動画生成が可能)。
Viduは、U-ViT(Universal Vision Transformer)と呼ばれる技術を用いており「拡散モデル」と「トランスフォーマーモデル」を組み合わせています。拡散モデルは、ぼんやりとした画像から徐々に細部を描いていく方法。トランスフォーマーモデルは、画像や動画の各部分の関係性を理解するのに優れています。
また、Viduは中国文化への深い理解と適応能力を持ち、パンダや龍といった中国を象徴するキャラクターのイメージ生成が得意です。
料金プランは?
Viduは無料版と有料版があり、無料版では毎月80クレジットが付与されます。1回の動画生成に4クレジットを消費するため、月に20本の動画を無料で生成可能です(すごい…)。
有料版は3つのプランがあります。
Starterプラン | 月額9.90ドル(年額プランは月あたり7.90ドル) |
Premiumプラン | 月額19.90ドル(年額プランは月あたり13.90ドル) |
Advancedプラン | 月額49.90ドル(年額プランは月あたり34.90ドル) |
各プランでは、クレジット数の増加、8秒動画の生成、商用利用の許可、透かしの除去など、様々な特典があります。料金は変更される可能性もありますので、詳しくは下記公式サイトをご覧ください。
https://vidustudio.org/ja/pricing
Viduの使い方
Viduはアカウントを作成すれば利用できます。アカウントの作成手順は下記のとおりです。
①Viduの公式ウェブサイト(https://www.vidu.studio/)にアクセスし、右上にある「Try Vidu」ボタンをクリックします。
②Try Vidu」ボタンをクリックしたあと表示されるページでは、Googleのアカウントでログインをするか、メールアドレス、電話番号でアカウント作成が可能です。アカウントが作成できたらすぐに80クレジットが付与され、動画生成を楽しめます。
実際に使ってみた
では、実際に動画を生成してみましょう。動画生成をするには、画面中央部分にある「Create Video」というボタンをクリックします。
すると下記画像の画面に遷移するので、テキストで指示をしたり、画像をアップロードしたりして、動画を生成できます。
Viduは中国発の動画生成AIということで、パンダや龍の描写が得意なようです。下記プロンプトを入力して、動画を生成してもらいましょう。
プロンプト:「パンダが芝生で遊んでいる様子を動画にして」
動きに若干の違和感がありますが、芝生の上で無邪気に遊ぶパンダの動画が生成されました。かなりの完成度です。また、動画が生成されるスピードは1分かからない程度でした。
もう一本動画を生成してみましょう。次はすこし難しい描写を指示してみます。
プロンプト:「日本の渋谷を歩く1人の少女の動画を生成して」
完成した動画がこちらです。
後ろを歩く大勢の人々や少女の激しい動きなど、情報量が多い動画だと、結構違和感があるように思います。ただ、プロンプトは短く抽象的なものですし、ものの1分程度で生成された動画と思えば、高品質といえるのではないでしょうか?
Viduは無料で利用できますので、興味がある方はぜひ動画生成を楽しんでくださいね。
まとめ
今回の記事では中国発の動画生成AIであるViduを解説しました。無料版でも月に20本の動画を生成できるため、まずは試しにアカウントを登録してみてはいかがでしょうか?
現時点では最長8秒の動画しか生成できませんが、将来的には16秒の動画にも対応する可能性もあります。OpenAI社のSoraは、発表こそしたものの、リリースはされていません。
今後、さらなる機能の追加や品質の向上で、動画生成AI界の筆頭ツールになれるのか…。中国発のViduを引き続き注目していきましょう。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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