様々なAIツールが公開されている昨今ですが、特に注目を集めている「AI検索エンジン」。2024年7月25日(アメリカ現地時間)にOpenAI社が「SearchGPT」というAI検索サービスを発表しました。
従来の検索エンジンとは一線を画す機能を持つSearchGPTについて、その概要や活用方法、今後の展望などを詳しく解説していきます。
SearchGPTとは
SearchGPTは、OpenAI社が開発したAI検索エンジンです。AI検索エンジンとは、人工知能を用いて自然な質問を理解し、複数の情報源から関連データをまとめ、直接的な回答を提供するシステムになります。
SearchGPTの主な特徴は以下の3点です。
①Web上の情報を基にした回答生成
SearchGPTは、インターネット上の膨大な情報を瞬時に分析し、ユーザーの質問に対して適切な回答を作成可能です。従来の検索エンジンのように単に記事を列挙するのではなく、質問の内容を理解したうえで、関連情報を要約して提供してくれます。
②情報源の明示
SearchGPTは回答を生成する際、使用した情報の出典を明確に示します。提供された情報がどこから得られたものかを即座に確認できるため、信頼性の高い情報を得やすいです。
③視覚的な情報提示
テキストによる回答だけでなく、必要に応じてグラフや表、チャートなどを自動生成して提示します。複雑なデータも視覚的に理解しやすい形で提供されるため、情報の把握が容易になります。
SearchGPTとGoogle検索の違い
SearchGPTとGoogle検索には、大きな違いがあります。以下、詳しく解説します。
検索方法
Google検索では、キーワードを入力して検索する必要がありますが、SearchGPTでは自然な文章で質問できます。
例えば東京で人気の観光スポットを知りたい場合、Google検索では「東京 人気 観光スポット」などと検索すると思います。AI検索であれば「東京で人気の観光スポットを教えて」と直接質問するだけで、あらゆる情報源の中から、観光スポットをまとめて提示してくれるのです。
回答の形式
Google検索は主にWEBページへのリンクを提供しますが、SearchGPTは質問に対する直接的な回答を生成します。ユーザーは複数のWEBサイトを閲覧する必要なく、必要な情報を瞬時に得られるのです。
情報の統合と分析
SearchGPTは複数の情報源からデータを統合し、分析した結果を提供可能です。一方Google検索では、ユーザー自身が複数の情報源を比較・分析する必要があるため、本当に知りたい情報にたどり着くまでに時間がかかります。
対話性
SearchGPTは対話形式で情報を提供できるため、追加の質問や詳細な説明を求めることが可能です。Google検索では、知りたい情報が追加で発生したとき、新たな検索キーワードを入力する必要があります。
SearchGPTは無料で使える?
現時点では、SearchGPTの料金体系に関する正式な発表はありません。実際の料金体系はOpenAIの正式発表を待つ必要があるでしょう。
ただ、ChatGPTの料金プランの傾向を鑑みると、無料ユーザーには「ある一定の制限」がかけられ、有料プランに加入しているユーザーが優遇されるというプランになる可能性が高いでしょう。
SearchGPTはいつから使える?
SearchGPTは現在(2024年8月時点)、開発段階にあり、一般ユーザーはまだ利用できません。OpenAI社の発表によると、一部ユーザーを対象にテストが行われているようです。また、早期アクセスを希望するユーザーは、ウェイティングリストに登録することができます。
SearchGPTの活用例
ファクトチェック
SearchGPTはまだ公開されていませんが、筆者は日常的に「Perplexity AI」というAI検索ツールを利用しています。そして、Perplexity AIで一番重宝しているのが「ファクトチェック(事実確認)」です。
筆者はライター業をしているため、多くの記事を執筆しています。ただ、情報の正確性が不確かなまま記事をクライアントに納品することはできないため、記事執筆中にファクトチェックが欠かせません。
そんなときに活躍するのが「AI検索」です。執筆した文章をAI検索にコピペし、「この情報は正しい情報、または最新情報ですか?」と質問するだけで、あらゆる情報の中から正確性などを調べてくれます。
いままでの作業時間を5分の1程度には短縮してくれているため、本当に助かっています。お仕事などでファクトチェックをする機会が多い方は、SearchGPTが役に立つでしょう。
Perplexity AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
最新情報のリサーチ
ChatGPTやClaudeなどの生成AIモデルは、ある期間までの情報しか学習していません。どれだけ高性能なChatGPTであっても、最新の情報には弱いのです。例えば「明日の天気は?」と聞いても、「リアルタイムデータや最新情報は把握していないのでわかりません」と回答されてしまいます。
ただ、リアルタイムの情報を扱えるAI検索では、最新情報であっても回答してくれるのです。
日常生活での活用
AI検索サービスは、日常生活でもかなり活用できます。というよりも、Perplexity AIを活用し始めてからというものの、筆者はもうGoogle検索を使って情報を探していません。
例えば「りんごの栄養素を知りたい」と思ったとき、Google検索では「りんご 栄養素」などのキーワードを打ち込んで検索し、上位表示された記事を選んで記事を読みます。1つの記事で疑問点が解消できなければ、別の記事を読む必要もあるでしょう。
一方でAI検索では「りんごの栄養素を教えて」と質問するだけで、あらゆる情報をまとめて回答してくれます。Google検索よりも明らかに工程が少なく、情報を効率よく探せるのです。
個人的には「Google検索の時代は終わり、完全にAI検索に置き換わる」と感じるほど便利なので、ぜひAI検索を体験してみてください。
まとめ
今回の記事では、SearchGPTの概要や活用方法などを解説しました。自然な対話形式での検索、視覚的な情報提示など、従来の検索エンジンにはない特徴を持っており、リリースが待ち遠しいです。
AI検索に興味を持った方は、まずはPerplexity AI利用をおすすめします。無料プランもあるため、気軽に試せます。
Perplexity AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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