昨今、さまざまなAIサービスが登場する中「AI検索サービス」が注目されています。AI検索サービスの中でも特に注目度が高いのが『Perplexity』。ただ、Perplexityは有料プランでしか真価を発揮できません。
そこで最近話題なのが『Genspark』というAI検索サービスです。Perplexityとは違い、完全無料で利用できます。
本記事では、Gensparkの特徴や使い方、Perplexityとの違いを詳しく解説します。Gensparkを利用すれば、情報収集の効率を大きく向上させられるはずです。ぜひ最後まで記事をご覧ください。
Gensparkとは?
Gensparkは2023年に設立された、AI駆動の新しい検索エンジンです。MicrosoftやGoogle、Baiduの元社員たちによって立ち上げられ、カリフォルニア州パロアルトとシンガポールに本社を置いています。
Gensparkの最大の特徴は、ユーザーの検索ワードに基づいてリアルタイムでカスタムページ(Sparkpages)を生成する点です。従来の検索エンジンのように複数のウェブサイトを巡る必要がなく、一つのページで知りたい情報を得られます。
現在、Gensparkはベータ版として無料で提供されているため、完全無料で全ての機能を利用可能です。ただし、あくまで今は「ベータ版」。将来的にはサブスクリプションプランの導入も予定されているため、有料化の可能性も考慮に入れておきましょう。
そもそも「AI検索」とは
「AI検索」とは、人工知能(AI)を使って、効率的に情報を探せるツールのことです。普通の検索エンジンは「入力した言葉と同じ言葉」をウェブページから探すだけですが、AI検索は質問者の意図を汲み取り、必要な情報をかき集めて表示してくれます。
例えば、「りんごの栄養」と検索すると、通常の検索エンジンは単にその言葉が含まれるページを表示します。でも、AI検索ならりんごの栄養価や健康効果について、分かりやすくまとめた答えを直接教えてくれるのです。
また、AI検索は質問者の好みや以前の検索履歴を学習して、個人に合った結果を表示したり、最新の情報を反映したりできます。つまり「より便利で正確な情報を素早く得られる」のがAI検索の特徴なのです。
GensparkとPerplexityの違い
GensparkとPerplexity AIは、どちらもAI駆動の検索エンジンですが、いくつか違いがあります。
検索結果
まず、両者は検索結果の生成方法が若干異なります。Gensparkは、ユーザーの質問に基づいて新しいページ(Sparkpages)をリアルタイムで生成する機能を利用可能です。一方、Perplexity AIは、既存のウェブページへのリンクを提供し、それらから情報をまとめる方式を採用しています。
イメージとしては、下記のようなものです。
Genspark:あらゆる情報から質問者が知りたいことをまとめ、1つの記事にする(情報元のURLも提供してくれる)
Perplexity AI:既存のウェブページの中から必要情報を抜粋して教えてくれ、情報元となるページのURLを提供してくれる
筆者はどちらも使用経験がありますが、Perplexity AIのほうが情報を端的に伝える能力が高いと感じています。
情報収集能力
GensparkはAI Parallel Search機能により、さまざまな視点から情報を収集し、一つのまとまった形に整理することに優れています。Perplexity AIは、高性能AIモデル(GPT-4、Claude 3 Opusなど)を使ってインターネット上から最新情報を収集し、提供することに強みがあるといえるでしょう。
また、Perplexity AIは、PDFや画像をアップロードして情報を検索できますが、Gensparkはファイルのアップロードができません。
UIの完成度や使いやすさ
ユーザーインターフェース(UI)と使いやすさの点では、一般的に下記のようなイメージを持たれています。
Genspark:シンプルで初心者にも扱いやすいデザイン
Perplexity AI:多機能でありながら、直感的な操作が可能なインターフェース
筆者が実際に使ってみた感想ですが、どちらもさほど使用感は変わらず、非常に使いやすいです。ただ、Perplexity AIは、スマートフォンアプリもリリースしているため、出先で手軽に利用できる点が便利と感じます。
料金
料金プランに関してですが、Gensparkは現在ベータ版で全機能が無料です。Perplexity AIは無料版と有料版(Perplexity Pro:月額20ドル)を提供しており、有料版ではより高度なAIモデルの利用や追加機能が使えます。
PDFや画像をアップロードして活用したい方や、より高度な生成AIモデルを活用したAI検索を利用したい方は「Perplexity AI」。とにかくお金をかけたくない方は「Genspark」で問題ないでしょう。
Perplexity AIについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事でも詳しく解説していますので、ご覧ください。
Gensparkの利用方法
Gensparkを利用方法は簡単で、公式ウェブサイト(www.genspark.ai)にアクセスし、検索窓に質問を入力するだけです。ただ、アカウントを作成することで、次項で紹介する「Sparkpage」という機能を使えますので、アカウント作成は済ませておいたほうがよいでしょう。
Gensparkのアカウント作成手順
Gensparkの公式サイト(www.genspark.ai)にアクセスすると、右下に下記画像のようなポップアップが表示されますので「サインアップ」というボタンをクリックします(ポップアップが表示されていなければ、右上のメニュー内に同様のボタンがあります)。
引用元:https://www.genspark.ai/
クリックをすると、下記画像のページに遷移するので、MicrosoftアカウントかGoogleアカウントでログイン、もしくはメールアドレスでアカウントを作成しましょう。
アカウント作成の手順は以上です。
Gensparkの便利機能
Gensparkには、いくつか便利機能がありますが、本記事では実用的な機能を2つ紹介します。
Sparkpage
Sparkpageとは、アカウントを作成したユーザーが利用できる機能です。ユーザーの質問に基づいて、AIが情報をまとめ、詳細な1つの記事を生成してくれます。ユーザーは複数のウェブサイトを巡る必要がなく、一つのページで包括的な情報を得ることができるため、情報検索の効率化が可能です。
また、Sparkpageはユーザーが編集可能で、必要に応じて情報を追加したり、不要な部分を削除したりできます。さらに生成されたSparkpageは保存して後で参照したり、他のユーザーと共有したりすることも可能です。
ちなみに筆者が下記の質問をしてみた所、下記画像のようなSparkpageを作成してくれました。
プロンプト「筋トレを始めたいのですが、どのようなメニューを組めばいいいですか?また、食事はどのような意識をすればよいですか?」
筋トレのスケジュールや具体的なメニューの提示など、非常にまとまっている記事だと感じます。ブログの執筆などをしたい方は、フル活用できそうですね。
Genspark Travel
Genspark Travelは、旅行計画の作成を支援する専用機能です。目的地や滞在期間などの基本情報を入力すると、下記画像のように、AIが最適な旅行プランを提案します。
プロンプト「京都で3日間の旅行をしたい」
引用元:https://www.genspark.ai/
提案されるプランには、観光スポットやレストラン、宿泊施設などの情報が含まれ、効率的な動線や現地の文化に配慮したスケジュールなどが組まれます。また、ユーザーの好みや予算に応じてプランをカスタマイズすることも可能です。
Genspark Travelの特徴は、単なる情報提供にとどまらず、AIが現地の状況や季節性、混雑状況なども考慮してプランを立てる点です。また、生成されたプランは編集や保存が可能で、同行者と共有することもできます。
アカウントを作成すれば無料で利用できますので、もしも旅行の予定がある方は利用してみてはいかがでしょうか?
まとめ
Gensparkは、AIの力を活用して情報収集の効率を劇的に向上させる可能性を秘めた新しい検索エンジンといえます。実際に筆者は、AI検索を利用し始めてからGoogle検索を全くしなくなりました…。
Gensparkは現在(2024年8月時点)、全機能を無料で利用できるため、ぜひ一度利用してみてください。筆者と同じく、Google検索を使わない生活になるかもしれません。
もしもPerplexity AIについて詳しく知りたい方がいらっしゃいましたら、下記の記事もご覧ください。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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