2024年7月、OpenAIが新たに発表したAIモデル「GPT-4o mini」。GPT-4oの軽量版として登場したこのモデルは、高性能と低コストを両立させたモデルと言われています。
本記事では、GPT-4o miniの特徴や他モデルとの違い、料金、活用法について詳しく解説します。
GPT-4o miniとは？
GPT-4o miniは、OpenAIが開発した最新の人工知能言語モデルです。GPT-4oの軽量版として設計されており、高い性能を維持しつつ、利用コストを大幅に削減することに成功しました。
GPT-4o miniの主な特徴は、テキストと画像の処理が可能なマルチモーダル機能を備えていることです(“将来的には音声や動画の処理にも対応する予定“という情報もあります)。また、128,000トークンというコンテキストウィンドウを持ち、1回のリクエストで最大16,000トークンの出力が可能です。
さらに、新たに導入された「instruction hierarchy」と呼ばれる手法により、セキュリティ面も強化されています。悪意のある指示や不正アクセスへの耐性が向上し、より安全な利用が可能となりました。
GPT-4o miniと各モデルとの違い
GPT-4o miniは、ChatGPTの他のモデルと比較して、いくつかの特徴的な違いがあります。以下、詳しく解説します。
GPT-4oとの比較<
GPT-4o miniは、GPT-4oの軽量版として設計されています。性能面では若干GPT-4oに劣るものの、応答速度は約2倍。また、利用コストはGPT-4oの約1/30と大幅に低減されています。
GPT-3.5 Turboとの比較
GPT-4o miniは、GPT-3.5 Turboよりも高い性能を示しています。多くのベンチマークテストでGPT-3.5 Turboを上回る結果を出しており、推論能力や数学的思考、プログラミングのタスクで優れた成績を収めました。
GPT-4o miniの料金
GPT-4o miniの料金体系は、入力と出力で異なります。
入力：100万トークンあたり0.15ドル
出力：100万トークンあたり0.60ドル
これは、GPT-4oと比較して約1/30の価格であり、GPT-3.5 Turboと比べても60%以上安価です。また、Batch APIを使用することで、さらに50%の割引が適用されます。ちなみにBatch API（バッチ API）とは、OpenAIが提供する大量のデータを一度に処理するためのサービスです。
GPT-4o miniはコストパフォーマンスのよいモデルのため、個人開発者や小規模企業でも、高性能なAIモデルを利用しやすくなりました。
GPT-4o miniの主な活用法
GPT-4o miniの高性能と低コストを活かした活用法は様々です。
まず、大量のデータ処理や長文の要約など、高いコンテキスト理解が必要なタスクに適しています。128,000トークンという膨大なコンテキストウィンドウを活用することで、大量の情報を効率的に処理できます。
次に、リアルタイムの応答が求められるチャットボットやカスタマーサポートシステムにも適しています。GPT-4oの約2倍の応答速度を持つGPT-4o miniは、ユーザーとのスムーズなコミュニケーションを実現できるでしょう。
さらに、コスト効率の高さを活かし、AIを活用したアプリケーションの開発や実験的なプロジェクトにも適しています。
まとめ
GPT-4o miniは、GPT-4oの軽量版でありながら、高い性能と低コストを両立させた点が最大の特徴です。
多くのベンチマークテストでGPT-3.5 Turboを上回る性能を示し、GPT-4oの約1/30という低価格で利用可能なので、小規模事業者や個人のAI活用の幅がさらに広がるでしょう。
上述のとおり、GPT-4o miniの登場により、AIの利用がより身近になり、様々な分野でのイノベーションが加速する可能性があります。今後のOpenAI社の動向や、国内のAIサービスに引き続き注目しましょう。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい！」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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