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Gemini 1.5 Flashとは?Gemini 1.5 Proとの違いや機能、料金体系を解説

August 27, 2024

  • AI
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2024年5月14日に行われた年次イベント「Google I/O」にて、GoogleはAI技術の新たな進化として「Gemini 1.5 Flash」を発表しました。Gemini 1.5 Flashは、既存のGemini 1.5 Proの知識を引き継ぎつつ、高速かつ低コスト化を実現したモデルです。 

本記事では、Gemini 1.5 Flashの特徴やGemini 1.5 Proとの違い、料金体系や活用方法について詳しく解説します。生成AIに興味がある方や、ビジネスでの活用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。 

Gemini 1.5 Flashとは?

Gemini 1.5 Flashは、Googleが開発した最新のAIモデルです。特筆すべき特徴は「軽量でありながら高性能な処理能力を持つ点」です。競合モデルであるGPT-4の約8倍の情報量(100万トークン)を一度に処理できるコンテキストウィンドウを持っていながら、テキストだけでなく画像や音声、動画などのマルチモーダル処理も可能です。 

ちなみに「コンテキストウィンドウ」とは、AIが一度に処理できる情報量のことを指します。100万トークンは約1500ページ分のドキュメントに相当し、大量のデータを一度に処理可能です。 

Gemini 1.5 Flashは「知識蒸留」という技術を用いて、より大規模なGemini 1.5 Proモデルの知識とスキルを継承しています。知識蒸留とは、大きな模型(教師モデル)から小さな模型(生徒モデル)へ知識を転送する過程に例えられます。 

例えて言うならば、ベテラン料理人が長年の経験と技術をコンパクトなレシピ本にまとめるように、Gemini 1.5 Proの膨大な知識をより小さく効率的なGemini 1.5 Flashに凝縮しているのです。 

結果として、軽量化を実現しつつ複雑なタスクにも対応可能になりました。また、Geminiシリーズの中で最も速い応答速度を誇り、大量かつ高頻度のタスク処理に最適化されています。 

Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Pro は何が違う? 

Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 Proの主な違いは、コンテキストウィンドウの大きさと処理速度、そしてコストにあります。 

Gemini 1.5 Proは最大200万トークンのコンテキストウィンドウを持ち、より大規模なデータ処理が可能です。ただ、膨大なデータを処理すればするほど応答速度は落ちる傾向にあります。一方でGemini 1.5 Flashは、100万トークンまでの処理に対応していますが、テータ量をあえてセーブすることで応答速度が格段に速くなっているのです。 

また、精度面ではGemini 1.5 Proがより高度な推論能力を持ち、複雑な質問や課題に対して詳細な回答を生成できます。Gemini 1.5 Pro には劣るものの「知識蒸留」を経て生まれたGemini 1.5 Flashも高い精度を確保。トークン数は軽量化されているため、レスポンスに優れ、リアルタイム性が求められるタスクに適しているといえるでしょう。 

さらにコスト面では、Gemini 1.5 Proの約10分の1の料金で利用可能。コストパフォーマンスはGemini 1.5 Flashの大きな特徴です。 

Gemini 1.5 Flash の料金体系

多くの生成AIモデルは、有料プランであれば月額課金がほとんどですが、Gemini 1.5 Flashの料金体系は、入力と出力のトークン数に応じて課金される仕組みになっています。 

具体的な料金は以下の通りです。 

項目 無料プラン 有料プラン(従量課金制:米ドルの料金) 
制限 1分間に最大15リクエスト 1日に最大1500リクエスト 1分間に最大100万トークン 1分間に最大360リクエスト 1日に最大10,000リクエスト 1分間に最大1,000万トークン 
料金(入力) 無料 128,000トークンまでは100万トークンあたり0.35ドル 128,000トークンを超える場合、100万トークンあたり0.70ドル 
料金(出力) 無料 128,000トークンまでは100万トークンあたり1.05ドル 128,000トークンを超える場合、100万トークンあたり2.10ドル 

※トークン=テキストデータを処理するために使われる基本単位。分割単位はモデルによって異なるが『Hello, world!』というテキストの場合、「Hello」「,」「world」「!」と分割され、4トークンとなる可能性が高い。 

※リクエスト=特定のサービスやAPIに対して送信される要求の回数。簡単に説明すると、ユーザーがサービスに何かを依頼するたびに、1つのリクエストが発生する。 

従量課金制とはいえ、膨大なトークン数を扱えるため、Gemini 1.5 Proの約10分の1という非常に低コストな設定になっています。また、OpenAIのGPT-4モデルと比較しても、大幅に安価であるため、コストパフォーマンスの高いAI活用が可能です。 

Gemini 1.5 Flash の活用法

Gemini 1.5 Flashは、高速なレスポンスと低コストを活かし、様々な場面で活用できます。特に、リアルタイム性が求められるタスクや、大量のデータ処理が必要な場面で力を発揮するでしょう。 

例えば、カスタマーサポート用のチャットボットやゲーム内のコンピューターとの自然な対話など、即時の応答が求められる場面に適しています。また、大量のデータの要約や、コンテンツの自動生成など、迅速かつ効率的な処理が必要なタスクにも最適です。 

ウェブサイトの自動更新やニュース記事の要約、SNSの投稿分析など、頻繁に更新が必要な情報処理にも活用できるでしょう。コスト面でも優位性があるため、スタートアップ企業や予算の限られたプロジェクトでも、高度なAI機能を導入しやすくなっています。 

まとめ

Gemini 1.5 Flashは、Googleが開発した高速で低コストなAIモデルです。100万トークンのコンテキストウィンドウを持ち、マルチモーダルデータの処理が可能な点は大きな特徴といえるでしょう。 

Gemini 1.5 Flashの活用すれば、リアルタイムチャットボットや大量データの要約、コンテンツ自動生成など、速度と効率性が求められるタスクが、従来よりも短時間でこなせる可能性があります。 

また、低コストで高性能なAI機能を利用できるため、企業規模や予算に関わらず、幅広い分野でのAI活用が期待できます。Gemini 1.5 Flashは、AI技術を誰でも使えるようにし、ビジネスでのAI活用をより一層推進する力を持っているといえるでしょう。 

AIメディアライター植田遊馬

Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。

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