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7月に起こった生成AI関連ニュースまとめ10選!

August 08, 2024

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今回の記事では7月に起こった生成AI関連のニュースを10個ピックアップして要約します。最新のAI動向を見逃さないようにしてくださいね。

海外の生成AI関連ニュース

マイクロソフト、OpenAIとの距離を置く - 独禁法の目を警戒

2024年7月9日、OpenAIはマイクロソフトが理事会から離脱すると発表しました。背景には、両社の関係について米国や欧州の競争当局が独占禁止法違反の可能性を調査していることがあります。

マイクロソフトは理事会と距離を置くことで、OpenAIへの支配力がないことを強調し、提携見直しを迫られる事態を回避する狙いがあるとみられます。OpenAIは新たに、主要投資家や提携先企業への情報共有のための委員会を設けると明らかにしました。

巨大テック企業とAI企業の関係に対する規制当局の監視は、年々強まっているようです。

https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/txn/news_txn/post_299767

サムスン、次世代スマホにAI搭載。16言語対応の通訳機能も

2024年7月10日、サムスン電子は生成AIを搭載した折りたたみスマートフォンの新製品2機種を発表しました。同機種には、サムスン独自の生成AI技術「Galaxy AI」が搭載されています。

新機能には、リアルタイム通訳や自動画像加工、テキスト生成などがあり、特筆すべきは16言語に対応する通訳機能です。リアルタイムで会話を翻訳し、文字起こしを行います。新製品は韓国で12日に先行販売を始め、24日以降順次、世界各国で販売。日本では17日から予約を受け付け、31日に発売予定です。

昨今スマートフォン市場でのAI機能競争は本格化しています。端末上で動作する生成AI技術の実用化は、今後当たり前のものになるでしょう。

https://toyokeizai.net/articles/-/773934?display=b

OpenAI、小型AIモデルで新戦略 - 低コスト化で普及加速へ

2024年7月18日、オープンAIは対話型AI「ChatGPT」向けに、従来より小型で安く使えるAIモデル「GPT-4o mini」を開発したと発表しました。また、利用料を同社の従来料金から6割下げていることが特徴です。

料金値下げに至った経緯としては、外部の企業が手がける幅広いアプリに、ChatGPTのAI技術を組み込みやすくする狙いがあるとされています。性能は自社の最も高度なAI技術「GPT-4o」には及ばないものの、様々な文章の理解力など、他社のAIを上回るとしています。

昨今、AIモデルの小型化と低コスト化がトレンドとなっており、AIの普及をさらに加速させる可能性があるといえるでしょう。

https://wired.jp/article/openai-gpt-4o-mini

OpenAIがAI検索サービス開始。GoogleやPerplextyと競争が激化

2024年7月25日、オープンAIは生成AIを使った検索サービスの試用版「サーチGPT」を公表しました。インターネットの最新情報をもとにAIが利用者の質問に答えるサービスです。

サーチGPTは利用者が知りたい内容を質問すると、インターネットから情報を探して要約します。回答の出典をリンクとして示し、利用者がサイトにたどれるようにしています。

Googleが発表した『AI Overview』や『Perplexty』など、AI検索サービスもトレンド化しており、OpenAIの参入で、今後ますます競争が激化するでしょう。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1611393.html

Googleが発表した『AI Overview』や『Perplexty』について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

国内の生成AI関連ニュース

日本のAI利用率に警鐘。海外との大きな開きが明らかに

2024年7月5日、総務省が発表した2024年版情報通信白書によると、日本での生成AIを利用している個人は9.1%にとどまることが明らかになりました。中国(56.3%)、米国(46.3%)、英国(39.8%)、ドイツ(34.6%)と比べて大きな開きがあります。

利用しない理由として「使い方がわからない」が4割を超えて最多。ただし「ぜひ利用してみたい」と「条件によっては利用を検討する」の合計は7割に上っており、潜在的なニーズがあると分析されています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA036VW0T00C24A7000000

フィンテック企業がAIに本格参入。マネーフォワード、財務分析にChatGPT活用

2024年7月24日、マネーフォワードは生成AIを使って財務状況を分析するサービスを始めると発表しました。ChatGPTの機能を応用し、顧客の会計データをもとに財務に関するリポートを作成します。

7月25日から会計・確定申告の両ソフトのユーザー向けに、Open AIが運営する「GPTストア」で専用の生成AIサービスを公開します。日本のフィンテック企業がGPTストアで自社サービスを提供するのは前例が少なく、珍しいケースです。

マネーフォワードをきっかけに様々な企業が「GPTストア」を活用すれば、生成AIを活用したサービスのさらなる展開が期待されます。

https://corp.moneyforward.com/news/release/service/20240725-mf-press

生成AIをめぐる議論・提言など

メディア業界、AI検索に警告。新聞協会が著作権保護を訴え

2024年7月18日、日本新聞協会は生成AIの検索連動型サービスに対し、著作権侵害に該当する可能性が高いとの懸念を示す声明を発表しました。検索市場を独占する事業者が記事の無断利用を強行すれば「公正競争をゆがめる」とも訴えています。

新聞協会は、検索連動型の生成AIサービスによる記事の利用は「軽微な利用」とは言えないと主張し、法整備による知的財産権の保護を要請しています。

AIによる著作権侵害問題は深刻化しており、今後の法整備や業界の対応が注目されます。

https://www.pressnet.or.jp/statement/broadcasting/240717_15523.html

AIの新潮流、小規模言語モデルに注目集まる。低コストで高性能を実現

2024年7月、生成AIに不可欠な大規模言語モデル(LLM)の開発競争が過熱する中、よりパラメーター数が小さい「小規模言語モデル(SLM)」が注目されています。比較的少ないデータを扱う分野の企業は、運用コストを抑えられるためです。

SLMは金融、医療、法律など特にデリケートなデータを扱う業界で普及が期待されています。スタートアップによる開発が先行していますが、Googleなどの大手テック企業も急速に参入しつつあります。SLMの台頭は、AIの低コスト化と特定分野への特化が進んでいることを示しており、AIの利用拡大につながる可能性があるといえるでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2479C0U4A720C2000000

英当局、Google-Anthropic提携を精査。AI業界再編に規制の目

2024年7月30日、英競争・市場庁(CMA)はGoogle親会社のアルファベットが生成AI新興企業の米アンソロピックと結んだ提携について調査を始めたと発表しました。

CMAは8月13日まで利害関係者などから意見を集め、企業結合の審査対象にあたるかを精査します。生成AI市場で存在感を高める米巨大テクノロジー企業に対して、各国の規制当局が警戒を強めているといえるでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR311NO0R30C24A7000000

OpenAI、音声機能で新たな一歩。安全性重視で1カ月遅れの提供開始

2024年7月30日、オープンAIは対話型AI『ChatGPT』に「人と近い反応速度で会話できる音声機能」を追加したと発表。当初6月下旬の提供開始を予定していましたが、安全性向上のため1カ月遅れての導入となりました。

新機能は、暴力的な内容や著作権侵害の恐れがある要求を拒否する仕組みを搭載。45言語について100人以上の外部協力者と検証を行い、AIが生成する音声の安全性を確保しています。また、AIの回答は4種類の音声のみに限定し、特定の人物の声を模倣する問題も回避しています。

米国では著作権の問題などで多くの訴訟問題に発展していますので、慎重な検証を行った結果、1ヶ月遅れでの提供となりました。
https://www.technologyreview.jp/s/342531/openai-has-released-a-new-chatgpt-bot-that-you-can-talk-to/

まとめ

今回の記事では、2024年7月の生成AI関連ニュースをまとめました。 

大型の発表などは控えめだった7月でしたが、生成AI関連のサービスは常にリリースされています。一方で、著作権などの問題で生成AIを問題視する声も高まっており、生成AIに関する法整備なども活発化しています。

8月以降も生成AI関連のニュースに注目し、時代に取り残されないようにしたいです。

AIメディアライター植田遊馬

Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。

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