Googleは2024年6月19日、東京都内で開催された「Google for Japan」イベントにおいて、日本社会の発展に貢献するための新たなAI活用の取り組みを発表しました。
Google、東大と連携し47都道府県の課題解決へ
「Google for Japan」イベントにおいて最も注目を集めたのが、東京大学松尾・岩澤研究室とのパートナーシップです。
このパートナーシップでは、2027年までに日本全国47都道府県におけるさまざまな地域課題の解決をサポートする生成AIモデルの実装と、AI人材の育成支援を行うことを目指しています。
大阪府での取り組み – 雇用のミスマッチ解消
第一弾として、大阪府との取り組みがすでに開始されており「雇用のミスマッチ解消」に生成AIを活用する計画が進行中です。 例えば、就業希望者に対しては以下のようなアプローチを検討しています。
- AIを用いて本人が気づいていない適性のある職種を提案
- 希望する仕事に就くための段階的なキャリアパスの提案
また、企業向けには以下のようなサポートを想定しています。
- 中小企業向けに、AIを使って採用マーケティングに活用できる素材を生成
- 過去の成功事例をもとに、面接の印象だけに頼らない多様な人材採用の支援
大阪府での取り組みが成功すれば、全国各地に普及され、雇用に関するさまざまな課題が解決するでしょう。
Google検索の新機能 – 日本独自のサービス拡充
Googleは日本市場を重視し、日本独自の新サービスも多数発表しました。
ハッシュタグ検索機能
日本ではSNSでのハッシュタグ利用が盛んであることを踏まえ、Google検索でもハッシュタグを使った検索が可能になりました。キーワードの前に「#」をつけて検索すると、SNSやYouTubeなどのコンテンツが上位に表示されるようになります。
高精度な天気予報 – Googleナウキャスト
Googleはウェザーニューズと提携し、AIを活用した高精度な天気予報サービス「Googleナウキャスト」を開発しました。従来では1時間ごとの降水量予測しかできなかったのですが、Googleナウキャストでは最大12時間先まで5分ごとの降水量予測が可能になります。
5分単位での降水量予測が可能になれば、近年増加している「ゲリラ豪雨」などの急激な天候変化への対応が可能になるでしょう。
AI人材育成への取り組み
Googleは日本におけるAI人材不足も課題として認識しています。AI人材不足に対応するため、「Google AI Essentials」という独自の資格認定プログラムの日本語版コースを提供開始しました。
Google AI Essentialsは、AIの基礎知識から実際のビジネス応用まで、10時間以内で学習可能。事前知識は不要で、さまざまな職種の人がAIスキルを習得できるように設計されています。
さらに、Googleが主幹事を務める「日本リスキリングコンソーシアム」の新規会員を対象に、先着1万名に無料受講アカウントを配布するという取り組みも行っており、AI人材不足を解消する取り組みを加速させることを発表しました。
まとめ
Googleは、AIの力を最大限に活用し、日本社会が直面するさまざまな課題の解決を目指しています。47都道府県それぞれの地域課題に取り組む姿勢や、日本独自のサービス開発、AI人材育成への注力など、日本市場を重視する姿勢が明確に表れているといえるでしょう。
一方で、こうした積極的な取り組みの背景には、巨大テック企業に対する独占批判や規制強化の動きへの対応という側面もあります。Googleは、ソフトウェア、ハードウェア、人材育成などの各分野でサービスを充実させることで、日本社会への貢献をアピールしつつ、日本市場での地位をさらに強化しようとしているのかもしれません。
今後、Googleの取り組みが日本社会にどのような影響を与えていくのか、注目が集まりそうです。
AIメディアライター・植田遊馬
Webライター歴4年目。ChatGPTの登場で生成AIの可能性に衝撃を受け「生成AIオタク」に。さまざまな生成AIを駆使しながらライター業を営む傍ら「多くの人に生成AIの魅力を伝えたい!」という想いで、生成AI系メディアでの記事執筆を行っている。
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