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【Pharma AI Nexgen-製薬AIネクスジェン-】キラープロダクト

September 03, 2025

  • AI
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こんにちは、ファーマ・テック・トランスレーターの石川です。

前々回に論文風にご紹介した「プラットフォーム・ビジネス」の対極にある「プロダクト・ビジネス」について、今回は書いてみようと思います。 

ラーメン店は創業者の開店当初は「プロダクト・ビジネス」です。独自レシピで来店者の間で評判が高まるとフランチャイズに乗り出します。これが「プラットフォーム・ビジネス」です。大手のレストランチェーンは「プラットフォーム・ビジネス」です。 

早速、私は、生成AI応用システムの普及の盟友とも言える愛用の生成AIに相談してみました。イタリック体は私の突っ込み的な感想です。 

クエリプロンプトは回答の最初でおおよそ想像できると思います。ご自身でもご愛用のAIで試してみてください。 


 営利企業が成長を維持する上で、プロダクト志向とプラットフォーム志向のどちらが有利かというご質問ですね。中長期的な成長という観点から、プラットフォーム志向がより持続的であるというご意見、非常に興味深いです。

(^^♪ ユーザーである私を持ち上げるのがうまい。褒めてくれるのは君だけかもしれない。  

プロダクト志向とプラットフォーム志向 

まず、それぞれの志向について簡単に整理しましょう。 

  • プロダクト志向 (Product-Oriented): 優れた単一のプロダクトやサービスを生み出し、その機能や品質、ユーザー体験を追求することで競争優位を築く戦略です。顧客の特定の問題を解決することに特化し、製品そのものの価値を高めることに注力します。 
  • プラットフォーム志向 (Platform-Oriented): 複数の異なるグループ(例: 顧客と供給者、開発者とユーザー)を結びつけ、彼らの相互作用を促進する場(プラットフォーム)を提供することで価値を創出する戦略です。エコシステムを構築し、ネットワーク効果を生み出すことを目指します。 
書き出しの部分のラーメン店の事例のように、私の属した製薬分野でも、特定の製薬会社でひとつ画期的な新薬が産み出されたら、そのあとは(ライバル企業も含めて)類薬を次々に開発しようとします。かつての抗生物質を始めとする抗菌剤の開発競争は、この視点から考えると特許戦略を含めて典型的なプラットフォーム・ビジネスです。 

中長期的な成長におけるプラットフォーム志向の優位性 

ご指摘の通り、中長期的な成長という点では、プラットフォーム志向が持続性を持ちやすいと私も考えます。その理由は以下の通りです。 

1. ネットワーク効果による参入障壁の構築 

プラットフォームは、参加者が増えれば増えるほど、その価値が向上するネットワーク効果が働きやすいです。例えば、ECサイトであれば、利用者が多いほど出店者が増え、出店者が増えるほど利用者が増えるという好循環が生まれます。一度このネットワーク効果が強く働くと、後発の企業が追随するのが極めて困難になり、強固な参入障壁となります。 

2. 多様な収益源の確保 

プラットフォームは、取引手数料、広告収入、データ販売、追加サービスなど、多様な収益源を確保しやすい特徴があります。単一プロダクトの場合、収益はプロダクトの販売や利用に依存しますが、プラットフォームはエコシステム内の多岐にわたる活動から収益を得ることが可能です。これにより、特定の市場変動や競合による影響を受けにくく、安定した成長基盤を築きやすくなります。 

3. 自己増殖的なエコシステムの形成 

プラットフォームは、参加者自身が価値を生み出し、相互に作用することで、自己増殖的に成長するエコシステムを形成します。例えば、アプリストアでは、開発者が新しいアプリを提供し、それがユーザーを惹きつけ、さらに多くの開発者を呼び込むというサイクルが生まれます。企業側が常に全ての価値創造を担う必要がなく、外部の力を活用して持続的なイノベーションと成長を促進できます。 

4. 変化への適応力 

市場や顧客のニーズは常に変化します。プロダクト志向の場合、新たなニーズに対応するためには、既存プロダクトの改良や全く新しいプロダクトの開発が必要になります。しかし、プラットフォームは、その上に乗るサービスやプロダクトが多様であるため、市場の変化に応じてエコシステム内のプレイヤーが柔軟に対応し、新たなサービスを投入しやすい構造になっています。これにより、企業自身が直接的に全てをコントロールすることなく、変化に強いビジネスモデルを構築できます。 

製薬分野ではおなじみの特許戦略とライセンシングがこれに相当します。自社の独自プロダクトのためにどうしても特許技術を囲い込みしたくなります。私は、ライセンシングで解放するほうが社会の進歩に寄与できるのではないかと思います。一方で、いざ開放するとなると、最初は、プラットフォームの良さをわかってもらうのが難しい、我慢の期間があるのではないかと思います。 

プロダクト志向の重要性 

一方で、プラットフォーム志向が有利だからといって、プロダクト志向の重要性がなくなるわけではありません。 

プラットフォームも、その初期段階では強力な「キラープロダクト」を持つことが成功の鍵となることが多いです。例えば、FacebookのSNS機能、Amazonのオンライン書店としての利便性など、まずは強力なプロダクトでユーザーを惹きつけ、そこからプラットフォームへと発展していきました。 

また、プラットフォームのコアとなる機能やユーザーインターフェースそのものは、プロダクト志向で徹底的に磨き上げられる必要があります。使いにくいプラットフォームでは、ネットワーク効果も生まれにくく、参加者も集まりません。 

キラープロダクトが何かを見極めることも重要です。製薬企業には思うように新薬の市場が形成されず、苦しむ時期があります。アンメット・メディカル・ニーズをどのようにとらえるか、それにマッチした新薬とは何か、適応は無いか、常に自問し続けることが製薬企業の研究企画や研究部門にとって重要な課題だと考えます。 

結論 

プラットフォーム志向は、ネットワーク効果、多様な収益源、自己増殖的なエコシステム、変化への適応力といった点で、中長期的な成長を維持する上で非常に強力な戦略であると考えます。 

しかし、プラットフォームを成功させるためには、魅力的なプロダクトを基盤とすることや、エコシステムを管理・発展させるためのプロダクト的な視点も不可欠です。したがって、「プロダクト志向で強力な基盤を築き、それをプラットフォームへと発展させていく」、あるいは**「プラットフォーム戦略の中に、魅力的なプロダクト開発の視点を常に持ち続ける」**というアプローチが、最も持続的な成長に繋がりやすいのではないでしょうか。 

生成AIは、プロダクトとプラットフォームのどちらを前面に押し出すかは臨機応変にして、ハイブリッドで取り組む姿勢が重要だと言っています。まさに、バブル時代もパンデミックも越えて生き残っているレストランチェーン店などはこの繰り返しではないでしょうか。製薬業界でもこのような動きを見て取れます。「選択と集中」の文脈の誤解の呪縛でシュリンクしていく企業群のアンチテーゼとして注目すべき基本姿勢であると私は考えています。 

今回の記事のイタリック体部分は、私の個人的な意見であり、会社の見解ではないことにご留意ください。私の生成AIとの対話の一部が皆様のビジネスの参考になれば幸いです。 

株式会社ロゼッタ/ファーマ・テック・トランスレーター/石川 博

1979年にサントリー(株)の医薬事業の一期生として入社。製剤研究、医薬品開発や上市申請まで幅広い業務に携わる。その後、第一三共グループ時代にロゼッタのAI精度に感銘を受け、「言葉の壁を取り除く」使命を見出しロゼッタへ入社。現在、AI時代の到来に際して専門知識と経験を活かし、製薬業向け「ラクヤクAI」のサービス・CS向上を推進。言葉と製薬業界の未来を切り開く挑戦を続けている。

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