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【Pharma AI Nexgen-製薬AIネクスジェン-】プラットフォーム・ビジネス

July 09, 2025

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こんにちは、ファーマ・テック・トランスレーターの石川です。

皆さんはプラットフォーム・ビジネスという言葉をご存じでしょうか。私は、製薬企業にいたころからこのビジネスモデルを自身の所属する組織で実現したいとトライしていました。このことについては別の機会に触れることにします。 

さて、近代産業史において、当初はその革新性に気づかれず、後に爆発的に普及したプラットフォーム・ビジネスを、具体的に企業名を挙げてご紹介します。 

1. 電話(電話交換機システム)

米国では AT&T、日本では日本電信電話公社(現在のNTTグループ)が有名です。これらの企業は、電話回線網の構築と電話交換機システムの運用を通じて、人々が相互に音声通話を行うためのプラットフォームを提供しました。当初は単なる通信手段と考えられていましたが、ネットワーク効果*により加入者が増えるほど利便性が増し、ビジネスや個人の生活に不可欠なインフラとなりました。AT&Tは独占的な地位を確立し、その後の通信産業の発展に大きな影響を与えました。両社とも新しいプラットフォーム・ビジネスにその地位を奪われていることは皆さんもご存知ですね。 

*ある製品やサービスの価値が、利用者の数が増えるにつれて増加する現象

2. パーソナルコンピュータ(OSとアプリケーションエコシステム) 

Microsoftは、DOS(Disk Operating System)に続きWindowsというGUIベースのオペレーティングシステムを開発し、PCの操作性を劇的に向上させました。これにより、専門家でなくてもPCを扱えるようになり、多くのソフトウェア開発者がWindows上で動くアプリケーションを開発するようになりました。Windowsはソフトウェア開発者にとっての共通基盤となり、その上でWord、Excelといったキラーアプリケーションが普及し、PCの爆発的な普及に貢献しました。 

3. インターネット(Webブラウザ、検索エンジン、Eコマース、SNSなど)

Netscape Navigatorの登場により、Webサイトの閲覧が容易になり、インターネットの一般ユーザーへの浸透を加速させました。Googleは、膨大なWebサイトの中から必要な情報を瞬時に見つける検索エンジンを提供し、インターネットの情報アクセスの中心となりました。その検索技術を基盤とした広告プラットフォーム(AdWords/AdSense)は、Webサイト運営者と広告主をつなぎ、Webコンテンツの収益化モデルを確立しました。Amazon.comは、書籍販売から始まり、あらゆる商品を扱うオンラインマーケットプレイスへと発展し、世界中の小売業者と消費者を結びつけるEコマースプラットフォームを構築しました。Facebook(現在のMeta Platforms)は、人々のコミュニケーションをオンラインに持ち込み、個人間のつながりだけでなく、情報共有、ビジネスのプロモーションなど、多様な活動が行われる巨大なソーシャルプラットフォームとなりました。 

4. 携帯電話(キャリアネットワークとアプリストア) 

スマートフォン時代において、AppleのApp StoreとGoogleのGoogle Play Storeは、世界中の開発者とユーザーをつなぐ巨大なプラットフォームとなりました。これにより、ゲーム、ユーティリティ、SNSなど、数えきれないほどのアプリケーションが生まれ、スマートフォンは単なる通話デバイスから、日常生活のあらゆる側面をサポートする「ポケットの中のコンピュータ」へと進化しました。これらの企業は、自社のOSとアプリストアを通じて、モバイルエコシステム全体を支配する形となりました。これらの企業は、当初は特定の技術やサービスに特化していましたが、次第にその基盤を他者が利用できる「プラットフォーム」として開放・提供することで、その上で多様なイノベーションが生まれ、結果として自社の影響力と収益を爆発的に拡大させていきました。 

2025年7月3日に日本でメタリアル社がプレスリリースしたMetareal Agents(旧名称Metareal AI LLM2)こそは、私が生成AI時代のプラットフォームとなる可能性を感じるサービスです。この価値と可能性を多くのお客様にご実感いただきたく、営業担当者がご紹介しておりますので是非一度お声がけいただけると幸いです。

株式会社ロゼッタ/ファーマ・テック・トランスレーター/石川 博

1979年にサントリー(株)の医薬事業の一期生として入社。製剤研究、医薬品開発や上市申請まで幅広い業務に携わる。その後、第一三共グループ時代にロゼッタのAI精度に感銘を受け、「言葉の壁を取り除く」使命を見出しロゼッタへ入社。現在、AI時代の到来に際して専門知識と経験を活かし、製薬業向け「ラクヤクAI」のサービス・CS向上を推進。言葉と製薬業界の未来を切り開く挑戦を続けている。

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