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【Pharma AI Nexgen-製薬AIネクスジェン-】AGIへの取り組み 〜日本の取り組みに期待すること〜

April 15, 2025

  • AI
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こんにちは、ファーマ・テック・トランスレーターの石川です。

第15回に引き続き、投稿前半部分は、ロゼッタの目指す方向性とは関係が無く、私個人の見方と意見であることを最初にお断りしておきます。最後に「オンヤク」を取り上げます。 

<私見> 日本のAGI開発が応用偏重に陥る構造 

現代はAGIの黎明期にあると本稿の最初の方に記載しました。この黎明期における日本の取り組みを見てみましょう。 

コンピュータサイエンスに限らず日本の研究者は、国の研究プロジェクト予算の圧縮の中で、成果主義偏重に苦しめられています。AGIの開発につながる基礎研究は、中長期的には大きな成果につながる可能性を秘めています。しかし、研究者は最初の予算獲得とさらに、追加予算を獲得するために専門家以外の予算審査者に理解しやすい短期で実用的なものを目指さざるを得ないのです。 結果として、最先端を進むAGI競争への参画を目指すのではなく、本来であれば生成AIの性能の成長が鈍化するような完成の粋に達した時点で考慮される節電型の小規模な生成AIを作ることや、そのような小規模の生成AIで実現するには能力的には無理な高性能を特定の用途で実現させようとするかの何れかで、費用の小さなものに限定するというこぢんまりとした応用開発ばかりという寂しい状況です。 

つまり、日本の取り組みは、予算割り当て上、目に見えた成果が短期に得られる、生成AIの応用に限定されてしまっています。生成AI隆昌の背景にあるAGIを実現しようとする主要な生成AIプラットフォーマーの動向を研究し、それを凌駕する研究者の努力を支援することを疎かにしていることになります。 

研究者は、限られた予算で制限されるリソースでやむを得ずAGI実現競争への参画を諦める以外に手立てはありません。AGIにつながることが確実視される現在の生成AIの応用に目を向けるのは次善の策として有効です。生成AIの応用には生成AI個々に関わらず、RAGのノウハウや日本が得意とする各種センサーとの協調などのように、異なるプラットフォーマーが開発する別個の生成AIにそのまま応用できる汎用性の高い共通のレイヤがあり、日本がどのレイヤマスタを目指すかの戦略を描くことが重要なります。 

日本語は、発話者の置かれた環境説明から始まり、最後に発話者自身に言及し、結論となります。つまり、環境に自分を合わせよう(受動的、保守的、防戦的)とします。日本の生成AIへの取り組みはまず生成AIという環境と自分達の強みという環境を把握し、自分は何ができるかという発想を生み出します。  

英語は、発話者自身について言及し、付属的に環境について説明します。言い換えると、自分に環境を合わせよう(能動的、革新的、攻撃的)とします。英語圏の生成AIへの取り組みは、まず生成AIという環境を自分が主体的に生み出そうとします。 

この対比は、言語的思考パターンによる根本的な発想の違いではないでしょうか。 日本は歴史的に、互いを尊重し互恵的に支え合う社会を形成し、欧米の黎明期の技術を学び技術的改良とその応用を軸として経済発展につなげてきました。日本の生成AIへの取り組みの状況は、この歴史的な発展の類型のような気がします。 

私は、一個人として、このような「日本はAGI開発には乗り出さないだろう」という自身の予測を受け入れてもなお、人類が理想とする、互いを尊重し、互恵的に支え合う社会形成に役立てるため、日本の文化の長所を理解したAGIを構築して、プラットフォーマーを日本の研究者には目指して欲しいと考えています。 

オンヤクの日本語話者は自分の発想が「ズームイン」であることを意識する

前置きが長くなりましたが、この中で皆さんに是非理解していただきたいのが、下線部の日本語の特長です。改めて枠線の中に入れました。 

日本語は、発話者の置かれた環境説明から始まり、最後に発話者自身に言及し、結論となります。つまり、環境に自分を合わせよう(受動的、保守的、防戦的)とします。 

この日本語の文構造は、オンヤクを活用する際に是非理解いただきたい点です。 

「発話者の置かれた環境説明から始まり」 

:日本人同士では、この部分を省略してしまいがちです。 

「最後に発話者自身に言及し」 

:英語話者と気心が知れていると誤認していると、これも省略してしまいます。 

これらは、オンヤクで最も避けなければならない省略です。 

なお、英語の場合はこのような省略は起こりません。後から説明を付け加える文構造「ズームアウト」だからです。相手の表情をみながら説明の深さを調整できます。 

日本語話者がオンヤクを使用する上でのコツを端的に説明すると 

自分の頭の中にイメージを浮かべてください。 

そのイメージを説明するように意識して日本語を話してください。 

翻訳精度が劇的に改善するはずです。 

株式会社ロゼッタ/ファーマ・テック・トランスレーター/石川 博

1979年にサントリー(株)の医薬事業の一期生として入社。製剤研究、医薬品開発や上市申請まで幅広い業務に携わる。その後、第一三共グループ時代にロゼッタのAI精度に感銘を受け、「言葉の壁を取り除く」使命を見出しロゼッタへ入社。現在、AI時代の到来に際して専門知識と経験を活かし、製薬業向け「ラクヤクAI」のサービス・CS向上を推進。言葉と製薬業界の未来を切り開く挑戦を続けている。

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